なんばエリアと同じく、世界有数の商業施設が集まる「心斎橋」。
心斎橋で開業して約300年の歴史を持つ大丸心斎橋店本館では、86年振りの建て替えで4年ほど改装工事をしていましたが、2019年9月20日(金)13時に「世界と未来に向けて進化する百貨店」として、グランドオープンします。
今回は「ぶらっとなんば」特別編として、なんばエリアのお隣「心斎橋エリア」のランドマーク大丸心斎橋店をご紹介します。
新業態47店舗、関西初出店41店舗を含む約370ブランドが出店する、新旧の美を兼ね備えた新たな心斎橋のランドマークをこの記事でぜひチェックしてください。
下記の目次から各見出しに飛べますので、ご活用ください。
大丸心斎橋店について
1717年に京都伏見で創業した大丸が、心斎橋で呉服屋を開業したのが1726年(当時の屋号は松屋)、当時は南東の一角だけで商売をされていたそうです。そこから大丸心斎橋店は約300年間、徐々に拡大していきながら心斎橋の地で営業を継続してきました。
後ほど紹介しますが、大丸心斎橋店は1933年の竣工以来、長年地域の人々に愛されてきたウィリアム・メレル・ヴォーリズの名建築を保存・再現した特別な館でもあります。クラシカルな雰囲気は、大丸心斎橋店らしさを存分に感じることができる見どころのひとつです。
大丸心斎橋店のあゆみ
江戸 | 1726 (享保11年) | 大丸心斎橋店に大阪店(現・心斎橋店)「松屋」開店 |
大正 | 1918年(大正7年) | ヴォーリズ建築事務所設計による大阪店1200坪の改築工事完成
※1920年 全焼 |
1922年(大正11年) | 大阪店第1期工事竣工 | |
昭和 | 1933年(昭和8年) | 大阪店第4期工事 御堂筋側の店舗が完成
1万2500坪の大丸ブロックが竣工 |
1970年(昭和45年) | 南館・日本初のこども館「ブルジョン」オープン | |
1983年(昭和58年) | JR大阪駅の梅田店開業に伴い、大阪店は「大阪・心斎橋店」の改称 | |
平成 | 2009年(平成21年) | 北館オープン |
令和 | 2019年(令和元年) | 本館グランドオープン |
フロア構成
B2 | 心斎橋フードホール |
B1 | フーズ・婦人洋品雑貨 |
1F | コスメティックス・アクセサリー |
2F | ラグジュアリーファッション・ジュエリー |
3F | ラグジュアリーファッション・シューズ |
4F | ファッション |
5F | ファッション |
6F | ファッション |
7F | 心斎橋ひとときテラス |
8F | ライフスタイル |
9F | ジャパンポップカルチャー |
10F | レストラン |
大丸心斎橋店は地下2階から10階までの12フロアで構成されています。
新業態47店舗、関西初出店41店舗を含む368ブランドが出店。売り場面積は約4万平方メートルと、建て替え前に比べて約3割増床されたそうです。
従来は、大丸が各店舗の運営に大きく関わってきましたが、新本館ではテナントに一任しているので、理容室が併設されたアパレル店(6Fフリーマンズスポーティングクラブ)や、創業300年の老舗が展開するカジュアルな茶道教室(8F 中川政七商店・茶論)など、個性的かつリアル店舗でしかできない特別な体験ができるお店が多く出店しているのが特徴です。
大丸心斎橋店の西阪店長は、新本館について「大丸心斎橋店らしさを追求し、ここでしか味わえない驚きや発見、高揚、予感など訪れた人々の物語の舞台になるような店づくりをしていく」と意気込みをみせていました。
では、次はフロアごとにご紹介していきます。
B2 心斎橋フードホール
今回のリニューアルで特に力を入れたというフードホールは、開放感あふれる最新NYスタイルのライブキッチンとして展開。トリュフ専門店「Artisan DE LA Truffe PARIS」
ソムリエ、利き酒師が常駐する「世界酒BAR セカサケ」など、個性豊かな全13店舗、総席数約350という大スケールの、料理やお酒にこだわり抜いた百貨店クオリティのフードホールです。
夜は23時まで使えて駅直結(※11月末頃完成予定)というのも嬉しいポイント。
また注目のサービスとして、西日本の百貨店では初の導入となるスマホを使った「事前オーダーシステム」を採用。スマホを通して、メニューの閲覧、注文、決済が行えるシステム(プットメニュー)が導入されています。
来店し、着席後に注文確定ボタンをタッチすると、料理の出来上がったタイミングで手持ちのスマホにプッシュ通知が届きます。
注目の新業態店
「UPGRADE Plant based kitchen」
大阪に本社を置く、業務用食品メーカー不二製油の新業態店「UPGRADE Plant based kitchen」。こちらも全国初のお店です。
業務用食品メーカーの不二製油は、大阪で半世紀以上大豆を研究してきました。
世界初の特許製法よる豆乳でつくったチーズ「まめまーじゅ」や、近年注目を浴びている大豆ミートを使用しヘルシーで未来志向のメニューを提供。
「選べるデリプレート」
ホットデリ・コールドデリから好きなデリを組み合わせ、ご飯やパン、スープとセットでいただくことができます。
3種類デリ+ご飯(パン)+スープ 1,000円(税別)
4種類デリ+ご飯(パン)+スープ 1,300円(税別)
※写真は4種類デリ
大豆ミートは、本物のお肉のような食感とボリュームに驚きます。
また豆乳でつくられたチーズ「まめまーじゅ」は、チーズ独特の乳の風味や酸味がなく、優しい風味なので、チーズが苦手な方でも抵抗なく食べることができます。
趣向を凝らしたプラントベースド(植物食材ベース)の創作デリは、これからますます注目される料理ですので、要チェックです。
またこちらのフロアには、生鮮食品を扱うマーケットゾーンもあります。
なんと夜8時半まで営業しているので、お勤め帰りにも立ち寄ることができ、デイリー使いできるのも嬉しいポイントです。精肉店には、難波の老舗「はり重」も登場。
B1 フーズ・婦人洋品雑貨
スイーツやお惣菜など、新業態や新商品、大丸心斎橋店限定のアイテムを揃えたここにしかない新しいものが凝縮されたフーズ計62ブランドが集まる、最新のデパ地下。
新たな惣菜売り場では、各ブランドでのイートインコーナーが充実していますので、何を選ぼうか悩むのも楽しくなるフロアです。心斎橋筋のお隣、戎橋筋商店街に本店を構える、551蓬莱や大寅蒲鉾、りくろーおじさんの店など、大阪を代表する名店も軒を連ねます。
注目の新業態店「クワエル スパイス」
1913年に大阪で創業した、大手食品メーカーハウス食品が長年のスパイス研究を活用した「クワエル スパイス」
「スパイスで食生活をもっと豊かに、楽しく。暮らしにスパイスをくわえよう」というコンセプトをもとに、スパイスの知識や技術を駆使したこだわりのカレーやスパイス料理、ドリンクを提供。
看板メニューは、3種のミックススパイスをミルで挽いて、お客様自身で、お好みでスパイスをくわえて食べながら味の変化を楽しめるオリジナルビーフカレー。
カレーのほか、東京・北参道の大人気紅茶店「Tea Stand…7」のオーナーがスパイスの選定から、こだわりを持って開発した、「クワエル スパイス」オリジナルのスパイスティーも楽しめます。
店名
ハウス クワエルスパイス
住所
大阪市中央区心斎橋筋1-7-1 本館B1F
電話番号
06-6224-0027
営業時間
10:00~20:30
ハウス食品公式ホームページ
注目の関西初出店スイーツ店
ガトーショコラ専門店「ショコラフィル」
「チョコレートよりもチョコレートを感じるガトーショコラ」をコンセプトに誕生した、ガトーショコラ専門店。
2019年2月に東京・自由が丘に1号店をオープンした「ショコラフィル」が、2号店目として関西初上陸。
チョコレートは、コロンビアに自社農園を持ち、カカオの栽培からチョコレートの製造までを一貫して行う、鎌倉のアロマチョコ専門店「ca ca o(カカオ)」のコロンビア産の厳選されたチョコレートを2種類使用しています。
力強いカカオ感、フルーティーな酸味と華やかな香りが口に入れた瞬間に感じることができるカカオ70%のチョコレートと、後味まろやかなカカオ40%のチョコレートを絶妙のバランスで配合。カカオの美味しさを存分に楽しめます。
オープンに合わせて開発した「ビスキュイ ショコラ with カカオニブ(写真奥)」は、ガラス張りのオープンキッチンが目を引く、工房一体型の店舗で毎日焼き上げて提供。しっとり濃厚なガトーショコラに、近年スーパーフードとして注目されるカカオニブ(胚芽と皮を取り除いたカカオ豆を砕いたもの)をふんだんに練り込んだサクサクとしたビスケット生地は、ひと口食べると、カカオ本来の美味しさが口の中に広がります。
またどっしりとした濃厚な味わいが特徴のレギュラー商品「ガトーショコラ レクタングル(写真手前)」も販売。
チョコレート好きには、ぜったいに食べてほしいおすすめスイーツです。
店名
Chocolaphil (ショコラフィル)
住所
大阪市中央区心斎橋筋1-7-1 本館B1F
電話番号
06-6484-8360
営業時間
10:00~20:30
ショコラフィル公式ホームページ
ル・ショコラ・アランデュカス
「ル・ショコラ・アランデュカス」は、フランス料理界の巨匠アラン・デュカス氏が手掛けるチョコレートショップ。厳選したカカオ豆からパリの工房で製造されたクーベルチュールを使い、すべての製品を東京・日本橋の「東京工房」でひとつひとつ丁寧に手作りしています。
今回、国内4店舗目として大丸心斎橋店にオープン。
ショップだけではなく、サロンも併設されています。
ショップでは人気のボンボン・ショコラやタブレット、先行販売のソフトクリーム(テイクアウトのみ)を販売し、併設の「ル・サロン」では大丸心斎橋限定の「プロフィットロール ソースショコラ バニラアイスクリーム(1,836円 税抜)」などこだわりのメニューを展開。
ここでしか味わえないチョコレートとともに、アラン・デュカスの世界観を楽しめます。
店名
ル・ショコラ・アランデュカス 大丸心斎橋店
住所
大阪市中央区心斎橋筋1-7-1 本館B1F
電話番号
06-6251-9510
営業時間
10:00~20:30
(LO.20:00)
イシヤ 心斎橋
北海道を代表する銘菓「白い恋人」を製造販売するISHIYAの北海道外直営店「イシヤ 心斎橋」が、関西初出店。
既存の「白い恋人」の販売は行わず、2017年に販売されてから約2年で累計860万枚の売り上げを誇る、「白い恋人」のDNAを受け継いだ人気商品「Saqu LANGUE DE CHAT (サク ラング・ド・シャ)」をはじめ、北海道外限定の商品を取り揃えます。
軽くて口どけのよいサクサク食感のラング・ド・シャは6種類のフレーバーがあり、チョコレートとの相性抜群です。パッケージも華やかでかわいらしいので、手土産やギフトとしても人気なのだとか。
吉本興業との和解を経て誕生した「ラフ&スイーツ ゆきどけ」
大丸心斎橋店限定の商品として、特に注目を集めるのは、吉本興業株式会社とのコラボレーション商品「ラフ&スイーツ ゆきどけ(6個入り 1620円)」
過去に石屋製菓は、吉本興業が発売している「白い恋人」のパロディ商品「面白い恋人」を巡る訴訟を起こし、2013年に和解が成立しています。それから6年が経ち、石屋製菓の「Love&Sweets」と、吉本興業の「Laugh&Peace」という両社が掲げるテーマを組み合わせた「Laguh&Sweets~オイシイおいしさ~」をコンセプトに、今回のコラボレーションが実現。
口のなかに入れると、ほろほろと溶けていくアーモンドのきいたフィナンシェのなかには、ほろ苦いキャラメルソースが入っており、北海道の雪をイメージした真っ白でキラキラと光るコーティングで仕上げてあります。
味はもちろん美味しいですし、手土産にすると話題になる今注目のスイーツです。
店名
イシヤ心斎橋
住所
大阪市中央区心斎橋筋1-7-1 本館B1F
電話番号
06-6282-7311
営業時間
10:00~20:30
HONMIDO(本実堂)
宮城県を代表する銘菓「萩の月」や「ずんだシェイク」で有名な菓匠三全の新ブランド「HONMIDO(本実堂)」。
厳選された「和」の素材に「洋」のエッセンスを取り入れた、和洋菓子のジャンルを超えた新感覚のスイーツブランドです。
定番商品は、卵白を泡立ててつくられた、口のなかでしゅわしゅわと溶けるような淡雪に、2枚のうすく焼き上げたラング・ド・シャを重ねた「本実堂サンド」。繊細な味わいは、贈り物としてもおすすめです。
本実堂サンド きなこ・抹茶(4個入り(各2個) 680円)
またこちらでも大丸心斎橋店限定として「きな粉ダックワーズ」を販売。アーモンドの風味ときなこのクリームは今までにありそうでなかった、新しい組み合わせです。こちらは数量ですので、気になる方はお早めに。
きな粉ダックワーズ(3個入 860円、8個入 2,100円)
店名
HONMIDO(本実堂)
住所
大阪市中央区心斎橋筋1-7-1 本館B1F
営業時間
10:00~20:30
1F コスメティックス・アクセサリーフロア
ウイリアム・メレル・ヴォーリズ(1880~1964)の名建築を最新の技術で再現した、華やかな内装が見どころの1階には、心斎橋店初登場の11店舗を加えた計45ブランドがそろい、圧倒的な美の空間のなかで、最新のコスメやスキンケアが楽しめます。
また大宝寺通りに面した路面には、NY発のシェイクシャックも心斎橋店初出店。
心斎橋店限定の「道頓トッフィークリート(オリジナルアイスデザート)」も見逃せません。
2F ラグジュアリーファッション・ジュエリー
2階では、ロレックスやシャネルなど、ラグジュアリーファッション20ブランドが集まる、かつてないほど豪華な空間になっています。
西日本最大級のVIPルームを備えたカルティエや、イタリアを代表するラグジュアリーブランドのボッテガ・ヴェネタはフルラインナップで展開されています。
また、2階にはニューヨークと京都に店舗を構えるチョコレートブランド「マリベル」が、世界初の新ブランド「マリベル・ザ・ラウンジ」が出店。ラグジュアリーな空間で、アートのようなチョコレートを楽しむことができます。
3F ラグジュアリーファッション・シューズ
トム・ブラウンは、西日本初のメンズ・ウィメンズ複合のショップをオープン。
西日本旗艦店として、ウィメンズ・メンズを揃えるクリスチャン・ルブタンのほか、ジミーチュウやマノロ・ブラニクなど、ラグジュアリーシューズブランドも揃っています。
関西エリア初出店のGINZA SIX発のコンセプトストア「シジェーム ギンザ」
「本物」「上質」「一流」であることを基本に、シューズやバッグ、ウエアをセレクトするショップも関西初登場です。
4F ファッション
世界最新のファッションカルチャー
大阪エリアの百貨店内に初登場の世界有数の近・現代美術のコレクションを有する、ニューヨーク近代美術館「MoMA」のデザインストア「MoMA Design Store」や、エスプレッソバーを備えた「DENHAM」など個性豊かでデザイン性の高いブランドがそろいます。
5F ファッション
ウェアだけでなく、レディスシューズやランジェリー、ゴルフウェアなどがそろう5Fには、独自開発の3Dボディスキャナーを設置した関西初出店の「ワコール3D smart&try」など、全26ブランドが展開。
最新技術を駆使した「ワコール3D smart&try」では、店員さんと接するのが苦手な方でも、ストレスフリーでお買い物を楽しめるよう、セルフサービスで計測や商品の検索、試着などをすることができます。
ビューティーアドバイザーも常駐しているので、気軽に相談もできます。
また、個別のカウンセリングでは、要望やお悩みに応じた提案を受けることもできます。
※カウンセリングは事前に予約が必要です。
6F メンズファッション
理容院を併設したアパレルショップ「フリーマンズスポーティングクラブ」や、西日本初出店となる世界最古の時計マニュファクチュール「ヴァシュロン・コンスタンタン」が直営店としてオープン。
ギャラリーを併設した「ライカ」では、今後写真展の開催なども予定しており、各ブランドのアートやクラフトマンシップといった、ものづくりの背景にあるストーリーをリアルに体感できるフロアです。
7F 心斎橋ひとときテラス
世界的繁華街の心斎橋エリアで貴重な緑と癒しの空間となるテラスを一体化した、レストラン&カフェ2店舗のほか、ナチュラルコスメやベビー&キッズなど全31ブランドが集まる、美と癒しのフロア。
テラスからは、御堂筋が一望できるほか、86年前から変わらない水晶塔や新しい大丸心斎橋店の外観など、建築も楽しむことができます。
8F ライフカルチャー
日本の伝統やモノづくりの素晴らしさを表現したフロア。
メイドイン大阪のものや、創業300年の老舗など、国内外問わず、多くの人に受け入れられる全31ブランドが展開されます。
9F ジャパンポップカルチャー
アニメやゲームなど、世界中で大人気の日本のポップカルチャーを発信するフロアには、西日本初のカフェ併設「ポケモンセンターオーサカDX & ポケモンカフェ」や、フィギュアで有名な海洋堂の展示販売スペースが併設された「タリーズコーヒー KAIYODO」など、これまでになかったショップが集まります。
このほか免税カウンターを始め、観光案内などのサービスを受けられる海外観光客向けのサービスセンターなども設置されています。
10F レストラン
歌舞伎俳優も多く訪れる、創業130余年の老舗「京都祇園 天ぷら圓堂」や、1653年創業の大阪寿司の老舗「すし萬」など、日本そして大阪の食文化を色濃く感じられるお店が軒を連ねます。
難波・千日前に本店を構えるお好み焼きの名店千房の高級ライン「ぷれじでんと千房」
また、新たな注目サービスとして、大丸心斎橋店のホームページまたは、店内設置のデジタルサイネージから、レストランフロアの混雑状況がわかるタッチパネル式の順番待ちシステムを導入。
わざわざお店まで行って、入店可能か確認する手間がなくなるので、かなりスムーズにレストランを決めることができるようになりました。
ウィリアム・メレル・ヴォーリズと大丸心斎橋店の名建築
大丸心斎橋店旧本館の建築を手がけたのは、全国に1,500以上の名建築を残す、建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏。
「大丸心斎橋店」といえば、華やかな装飾の外観を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
アール・デコ様式と呼ばれる、アール・ヌーヴォーの時代に続き、欧米を中心に1910年代半ばから1930年代にかけて流行、発展した装飾の様式を用いて、1933年に大丸心斎橋旧本館は建築されました。
正面玄関のレリーフや店内のあちらこちらで見られた、華やかでクラシカルな装飾は根強い人気があり、建て替えにあたって市民からは「建築を残してほしい」という声が多数寄せられたそうです。大丸心斎橋店では「企業としても、この名建築を残す義務がある」とし、保存・再現する巨大なプロジェクトを開始しました。
旧本館の内装から保存された1254パーツのうち67%を再利用し、昭和8年に竣工された外壁そのものも最新の技術で保存され、新本館へと継承されています。
また採取困難な部材については、原形を型どりし、現代の技術により再現。ヴォーリズのデザインを継承する新旧の歴史が交わる空間を作り上げています。
幻のフェニックスをモチーフにした「鳳/凰」
新本館の御堂筋側の正面入り口を入ると、金と銀の鳳凰の彫刻作品が飾られています。
鳳凰はおめでたいモチーフですが、実は大丸心斎橋店にまつわるエピソードをもとに、この作品はつくられているそうです。
大丸心斎橋店のシンボルといえば「孔雀(くじゃく)」。
全焼してしまった初代店舗の再建を願い、1925年(大正14年)に9月に竣工した、大丸心斎橋店の第2期工事の際に、当時は不死鳥である「フェニックス」のレリーフをアメリカの会社に依頼したそうですが、ところが何らかの事情で新たに「孔雀」が提案され、荘厳でファッショナブルなイメージから採用。
以来、「孔雀」が大丸心斎橋店のシンボルとなっています。
このエピソードをもとに、幻のフェニックスを東洋の鳳凰になぞらえた作品が生まれたそうです。
京都の仏師が木彫として彫りあげ、漆を塗り、金箔とプラチナ箔で仕上げられていて、全身炎に包まれ、一方は神社にある阿吽のように口を開け、もう一方は閉じています。
とてもおめでたいこの鳳凰は2019年10月11日までの展示ですので、気になる方は、ぜひお早めにご覧ください。
施設詳細
施設名
大丸心斎橋店 本館
住所
大阪市中央区心斎橋筋1-7-1
営業時間
ショップ 10:00~20:30
フードホール 10:00~23:00
レストラン 11:00~23:00
※一部フロア店舗に寄り異なります。
休業日
元旦不定休
大丸心斎橋店公式ホームページ
アクセス
大阪メトロ御堂筋線・心斎橋駅4番出口すぐ
まとめ
今回はぶらっとなんば特別編として、心斎橋エリアの大丸心斎橋店の新本館オープンについてご紹介しました。
関西初出店や新業態のお店など、これまでにない「脱百貨店」を意識した売り場づくりは、個性的なお店がそろい、ただ買い物をするだけではなく、発見などリアルな場でしか感じられない楽しみがあります。
ぜひ新しくなった大阪のランドマークで、まち場の楽しさを感じてみては?
大阪なんばの最新情報やお役立ち&おすすめ情報をお届けします。