南海トラフ巨大地震の発生確率が今後30年以内に70~80%と想定される中、私たちが暮らす大阪も決して「災害とは無縁の場所」ではありません。地震に加え、台風や集中豪雨による被害も心配です。
こうした中で注目されているのが、キャンプやアウトドアで使う道具や技術。実は非常時の生活を支える“実用的な備え”としても大きな力を発揮します。楽しみながら防災に備える、買物とあわせて防災を考える、そんなイベントが、なんば広場で開催されます。
街なかで楽しむ“アウトドア×防災”体験
3月7日㈯、8日㈰の2日間、なんば広場・なんばマルイ前で、アウトドアをテーマにした防災啓発イベント「街中でアウトドア~見つかる新しい発見~」が開催されます。テントやアウトドア用品を実際に見て、触れて、体験できるこのイベントは、災害時の備えを“自分ごと”として考えるきっかけを提供する場でもあります。
- 2026年3月7日(土)・8日(日)11:00~18:00
- 会場:なんば広場 マルイ西側エリア
- 主催:なんばマルイ/協業:RATEL WORKS(東大阪市のアウトドアブランド)
- 入場無料
普段はおしゃれに、災害時に役立つ「アウトドアグッズ」の価値
今回のイベントで展示されるアウトドア用品は、東大阪発のアウトドアブランド「RATEL WORKS(ラーテルワークス)」の実製品です。RATEL WORKSは、機能性とデザイン性を兼ね備えたギアづくりで近年注目を集めており、「本格的だが扱いやすい」点が支持されています。


会場では、実際に使用シーンを想定した大型テントや小型テントが設営され、居住性や空間の広さ、出入りのしやすさなどを体感できます。
これらのテントは、キャンプでの快適性はもちろん、災害時には簡易的な居住空間として活用できる構造になっており、天候変化への耐性や通気性といった“非常時にも重要な性能”を備えています。



また、テーブルやチェア、ラック、ワゴンといった周辺ギアも展示されます。折りたたみ式で持ち運びやすく、限られたスペースでもレイアウトしやすい設計は、アウトドアだけでなく、避難生活における生活環境の質を高める道具としても有効です。
床に直接座ることが難しい高齢者にとっては、チェアがあるだけで身体的負担は大きく軽減されます。ラックは、物資の整理や生活空間の区分けにも役立ち、混乱しがちな避難所生活において“生活の秩序”をつくるツールとなります。





2011年の東日本大震災では、体育館などの避難所での雑魚寝によるストレスや健康被害が課題となりましたが、後年の災害では簡易テントやアウトドア用コット(簡易ベッド)が導入され、プライバシー確保や体調管理に寄与した例があります。2016年の熊本地震では、車中泊を選択する被災者が多く、ポータブル電源やランタン、車載用マットなどのアウトドア用品が「命綱」になったという声もありました。
「実物を見て、触って、納得してから購入できる」という点も、ネット購入が主流のアウトドア用品において大きな魅力です。実際の商品はなんばマルイの館内でも購入できます。普段は専門店に足を運ばなければ触れられない本格的なギアを、街なかで体験できること自体が、このイベントならではの価値といえるでしょう。
街なかで体験する“フェーズフリー”な防災
普段のキャンプシーンがそのまま災害時にも転用可能な、平時と災害時の境目をなくす「フェーズフリー」の考え方は、内閣府の防災啓発でも推奨されており、家庭での備蓄目安である「最低3日分、可能なら1週間分」を補完する実践的な手段となります。
災害への備えは後回しにされがちですが、アウトドア体験を通じて災害時に役立つ道具やスキルに触れることで、防災はもっと身近で現実的なものになります。街の真ん中・なんば広場で行われる今回のイベントは、知識としてだけでなく体験として持ち帰ることができる貴重な機会です。
道具だけでなく「アウトドア スキル」も役立ちます。ロープワークによる簡易シェルターの設営、カセットコンロを使った簡易調理、暗闇での安全な行動など、キャンプ経験がある人ほど非常時の対応力が高い傾向があります。これらのスキルは、防災訓練のような“特別な場”でなくても、アウトドアを楽しむ中で自然と身につけることができます。


週末の買い物ついでに立ち寄ったイベントが、将来の“もしも”に備える大きな一歩になるかもしれません。アウトドアを楽しむことが、そのまま防災につながる。そんな新しい防災のかたちを、街なかで体感してみてはいかがでしょうか。
会場の「なんばマルイ前・ほこみち区域」でのチャレンジ
本イベントの会場となる「なんば広場」は、都市の公共空間の新しい使い方を検証する“社会実験のフィールド”でもあります。なんば広場は、なんば広場マネジメント法人設立準備委員会が、公募を経て2025年9月から管理運営事業者となり、段階的に活用の幅を広げてきました。

広場の中央部分に加え、なんばマルイ1階に面するエリアの一部も「歩行者利便増進制度(通称:ほこみち制度)」の対象区域として位置づけられています。このエリアは2026年8月まで、なんばマルイが“検証パートナー”として実証的な運用を担い、イベントや滞留空間としての使い方、歩行者動線への影響などを検証しています。

今回のアウトドアイベントは、「公共空間をどのように使えば、人が滞留し、学びや体験が生まれるのか」を検証する試みでもあります。防災という社会的テーマと、アウトドアという親しみやすい切り口を掛け合わせることで、なんば広場が“にぎわい”と“社会的価値”の両立を目指す場であることを示す象徴的な事例となっています。
こうした検証結果を踏まえ、2026年9月以降は、地域や民間によるイベント利用など、より開かれた形での活用が進められる予定です。さらに、準備委員会は2029年6月末まで、なんば広場の管理運営を担うことが決まっており、本イベントは、そのプロセスの中で行われる実践的な取り組みの一つでもあります。



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