大阪の定番グルメには、知名度も人気も高い「串カツ」があります。
一口大に切った肉・野菜・魚介類などの様々な食材を串に刺し、油で揚げたリーズナブルな食べ物で、関東では串揚げとも呼ばれているとか。
大阪で串カツと言えば、観光名所として人気の通天閣がある新世界エリアの店が広く知られていますが、なんばエリアにも旬の食材を楽しめる串揚げの老舗から大衆的な串カツまで多彩なお店が存在しています。
なんばエリアの串カツ店は、カウンター越しに調理している様子が見れたり、音や匂いなど楽しめたり、料理人と食べる人が向かい合う大阪割烹のようなスタイルのお店が多いです。
なかでもなんばの中心を通る戎橋筋(えびすばしすじ)商店街のほど近くにある、「八丁味處 串の坊法善寺本店」は、落ち着いた雰囲気の中で旬の食材を組み合わせた斬新なアイディアと手間ひま惜しまず創り出される味のバリエーションを楽しむことができる、趣ある老舗の串カツ専門店です。
串の坊法善寺本店で提供される「おまかせコース」のスタイルや誕生秘話について、3代目社長の広瀬さんに取材してきました。
詳しくご紹介していきますので「串の坊法善寺本店」に行ってみたい方や、なんばエリアで串カツ店を探している方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。
![串の坊 店頭](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/6457346ef31e9aa125c0f3bdf2c29003-1024x768.jpg)
落ち着いた和モダンなお店
2021年で創業71年を迎える串の坊法善寺本店は、地元民や著名人にも絶大な人気を誇る老舗の串カツ専門店です。
![串の坊 店内1](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/d324a86f9d291c1b12b6973be5840dbe-1024x768.jpg)
店内に入ると旅館を彷彿とさせるような、趣のある受付があります。
![串の坊 店内2](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/447ce8455fe926322e5e5cc67bf9834e-1024x768.jpg)
店内は昔ながらの和の洋式で落ち着いた雰囲気です。
白川郷や飛騨高山の古民家が好きだった創業者の希望で、渋い色調と直線美が特徴的な民芸調の内装になっています。
重厚感のある素晴らしい内装は、串の坊本店がある通りの1本北側の通りにある「和食処 民芸酒房 牧水」を手掛けたデザイナーと同じ方だそうです。
1Fの奥にはコの字型の大きなカウンターがあり、職人さんが串カツを揚げているところを見ながら食事することができます。
次はどんな串ネタが揚がるのかワクワクしながら待つのも楽しみのひとつですね。
総席数は92席と多く用意されているので、ゆったりと座ることができます。
時間の流れを忘れてしまうような癒し空間のなかでいただくここでしか食べられない串カツは格別な味です。
![串の坊 カウンター](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/caeb913fa3369003481af851c0b18598-1024x768.jpg)
2021年現在はコロナ禍での営業ということもあり、一席ずつに仕切りが立ててあります。
コロナ禍前まではテーブル席も利用できましたが、現在は対策の一環として使用を中止しているそうです。
テーブル席を利用したい方は、本店のほど近くにある「串の坊 戎橋店」の利用がおすすめです。
趣ある民芸品の数々
串の坊法善寺本店には、創業者が日本各地から集めた貴重な民芸品が店前や店内の至る所に飾られています。
![串の坊 招き猫](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/5bf738ee842c7a3783dc979c94d15188-1024x768.jpg)
入り口の横にある可愛らしい張り子の招き猫は、岡山県の観光地として有名な倉敷美観地区で買い求めたものです。
![串の坊 天狗お面](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/32751b453b790e5e5001c1070a74d9df-1024x768.jpg)
2階への吹き抜けの壁には大きくて迫力のある天狗の面。
![串の坊 急須](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/259a57db30bc08a37dcc4660fb4ff358-1024x768.jpg)
奥の部屋の壁には様々な形で、色とりどりの急須。
![串の坊 木彫り](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/161bde47436103d2e555fa3aff7748f3-1024x768.jpg)
調理場の横の壁には大きな釜や美しい壺、木彫りの七福神など。
唯一無二の手作り食器
![串の坊 食器1](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/04cdd01e017a1d3c8b5b5abea1db73ea-1024x768.jpg)
店内の世界観へのこだわりは、内装や装飾品だけではなく食器にまでも行き届いています。
重厚感のある店内によく似合うこちらの食器の数々は、絵画や粘土細工が趣味だった創業者がすべて1からデザインしたもので、兵庫県の三田市にある窯元で焼いてもらっている串の坊だけの特別な食器です。
![串の坊 食器2](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/cb89fcd98ec3d6ca517b07cead73f4dd-1024x768.jpg)
細部にまでこだわって作られており、既製品にはない味わい深さを感じることができます。
常連さんのなかにはオリジナル食器のファンも多くおり、「売ってほしい」と言われることもあるのだとか。
手作り品で数が限られているため、残念ながら非売品とのことです。
唯一無二の食器で味わる串カツはより一層、特別感を感じられること間違いなしです。
おもてなしの心が光る「おまかせコース」
串カツと言えば、好きな串ネタを頼むのが一般的ですが、串の坊法善寺本店では一風変わった食べ方で串カツをいただくことができます。
「好きなように好きなだけ串カツを食べてほしい」というおもてなしの心で作られたのが「ストップ」のお声掛けまでアツアツの串がいただける「おまかせコース」です。
![串の坊 おまかせコース](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/df369399e457a023ab11153f0df26123-1024x576.jpg)
「おまかせコース」のような提供の仕方は、串カツ専門店の草分け的存在である「五味八珍(ごみはっちん)」さんと「知留久(しるひさ)」さんが確立したスタイルで、串の坊は両者からその技術を引き継ぎました。
四季折々の旬な食材を使ったバラエティ豊かな串が約35種類ほど、お腹が一杯になるまで食べ続けることができ、本数によって勘定が変わります。
1度に多くの串を注文した場合、串が冷めてしまうこともあるので、1本ずつ揚げたてをいただいてほしいという思いから設けられたスタイルだそうです。
「おまかせコース」で出される串ネタには通年メニューと季節のメニューがあり、最初に出す串ネタ3本と必ず出す定番串ネタ以外は、職人さんがその時々で順番を決めています。
同じ種類の串ネタが続かないように、肉・野菜・魚を交互に出すようにしていたり、旬の食材は先に出すなど工夫されているそうです。
食べるスピードに合わせて「もう少し早く」や「ゆっくりで」など声かけすると、次の串カツが提供されるまでの時間を調節してくれるので、おまかせコースを注文した際は気軽にお声がけしてください。
また、食物アレルギーや苦手な食材があれば配慮してもらえるので、注文する時に伝えてくださいね。
お任せメニューで16種類の串カツを食べた場合、デザート・生野菜がついて約5000円ほどです。
串の坊法善寺店の串カツには、小麦粉と牛乳を混ぜた「ネリヤ」と呼ばれる特製の衣とパン粉が使われています。
軽い食感であっさりとしており、お腹がもたれることなく最後までおいしく味わうことができます。
人それぞれにはなりますが、串カツを食べる本数を平均すると15~20本程が多いそうです。
なかには35種類を1周するお客様もおられ、最高記録は有名な力士である舛ノ山関(ますのやまぜき)の100本で、2週目からは同じ串ネタを2本ずつパクパクと食べられたのだとか。
たくさん食べられる方は、何本食べられるかぜひ挑戦してみてくださいね。
人気の串ネタをご紹介
串の坊法善寺本店の串カツは1本165円〜で、手間暇かけて作られていることを考えると、とてもリーズナブルな価格です。
1本ずつ注文することもでき、また、「おまかせコース」として提供されることもあります。
![串の坊 牛串](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/b317b9e841d3df7a74cfd2dca53520ca-1024x768.jpg)
「おまかせコース」でも頭ネタとして必ず出されるほど人気の高い「牛串」は、牛肉の中で最も柔らかく脂身が少ない赤身の牛ヒレ肉を使っており、上品な味わいです。 特製のオリジナルソースとも良く合います。
![串の坊 アスパラ](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/a7dc73f76d761f8db6224289d549f318-1024x768.jpg)
定番人気の丸ごと一本揚げた「グリーンアスパラ」は女性人気がとても高く、ベーコンが巻かれているので食べ応えも抜群です。グリーンアスパラには、特製のマヨネーズがかけられています。
![串の坊 シイタケ](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/9235ad461803ac3e571ebf4c507ef191-1024x768.jpg)
「生椎茸の海老ミンチ詰め」には自家製のタルタルソースが乗っています。
しいたけが肉厚で噛んだら旨みがジュワッと出て絶品です。
![串の坊 小エビ](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/b61bc7488514926eda5ead38e4db3ede-1024x576.jpg)
写真の右側にあるのが「小海老の紫蘇巻き」です。
プリッとしたえびと、風味豊かな紫蘇が良く合う人気の一品です。
![串の坊 キス巻1](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/4d44230c39e0a24af504d9dbb33e6bf7-1024x768.jpg)
「ズワイ蟹のキス巻」は、串カツでありながらアルミホイルに包んだまま揚げている贅沢で珍しい串ネタです。
![串の坊 キス巻2](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/f6ba434fbf047818850fd46526e425a8-1024x768.jpg)
本ズワイ蟹の身をほぐしたものを丁寧にキスで巻いて蒸し揚げにしており、あっさりとしていながらも上品で深い味わいです。 塩やポン酢との相性もとても良く、食べ終わってからもまた食べたくなります。
![串の坊 車エビ](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/aa29b20784405c4f9831ae8076a068aa-1024x768.jpg)
国産の車海老を丸ごと揚げた贅沢な逸品。
頭からかじりつくとパリパリとした食感を楽しむことができ、身の締まったエビ本来のうま味を味わうことができます。
![串の坊 タン塩](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/4877339d7ec84f419bc4c3f323ebed41-1024x768.jpg)
写真の右側にあるのは「たん塩」です。分厚いのにとても柔らかく、何度でも食べたくなります。
写真の左側にあるのは「新じゃがいも」です。種芋のようにコロコロと小さい新ジャガイモにアンチョビのソースが乗った、春ならではの季節限定メニュー。
ほくほくとした甘めの新ジャガイモに、塩味の効いたアンチョビのソースがよく合いクセになる味わいです。
![串の坊 ごぼう](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/ea49570626456992883c1791c7674558-1024x768.jpg)
揚げたごぼうに出汁の餡と生姜が良く合うこちらの串ネタには、煮物のような味わい深さもあります。
![串の坊 ホタルイカ](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/6e247d28950db942630bed2ce3be4f9c-1024x768.jpg)
ホタルイカに酢味噌がかかった贅沢な一品。深みのある濃厚な酢味噌がやみつきになる味です。
串の坊法善寺本店では、酒類の取り揃えも豊富で、ビールや地酒だけではなく「焼酎」の品揃えにも力を注いでおり、常時約40種類用意されています。
焼酎好きな方への接待などにも利用しやすいです。
細やかな心配りは串ネタ以外にも
こだわりの特製調味料
「ソースの2度漬け禁止」で広く知られている大阪の串カツですが、串の坊法善寺本店では1人ずつ専用の食器にソースや調味料を入れて出してくれるので、気にせずに何度でも漬けて食べることができます。
![串の坊 ソース](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/6a8f704b353cf7ba00a04c28e42e76c9-1024x576.jpg)
ソースは創業時から手作りしている特製のオリジナルソースです。
また、ソースだけでなく、魚介類をさっぱりと召し上がっていただきたいという思いから徳島県産のスダチと山口県産の橙酢を調合したポン酢や素材を引き立てるように、時間をかけて白ごまを香ばしく煎って配合した胡麻岩塩やマスタードソースなど手作りの調味料も増えていきました。
どの串でも好みの調味料で食べていただくことが前提ではありますが、魚介類はポン酢でさっぱりと、お肉系にはマスタードソースを、野菜などの味が濃くない串には塩を付けて食べるのがおすすめだとか。 どの調味料を漬ければ良いか迷った時は、おすすめの組み合わせを試してみてくださいね。
箸休めのネギと大根おろし
串カツ店では箸休めとしてキャベツなどの生野菜が置かれていることが多いですが、串の坊ではキャベツ・きゅうり・にんじん・大根・プチトマトなどの生野菜と一緒に「ネギ」が用意されています。
![串の坊 ネギ](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/2f8d73c4614b71d6b8a2ea3fcb4ca436-1024x768.jpg)
根っこはあらかじめ切ってあるので、そのままかじって全部食べることができます。
緑色の部分は辛かったり苦かったりするので、辛味が苦手な方は白い部分だけ食べるのがおすすめです。
串カツの合間にネギをかじると、「口の中がさっぱりとして次々と食べ進められる」と多くのお客様から好まれています。
![串の坊 口直し](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/c5c7f150a07d81b5c379b9705c548e72-1024x768.jpg)
「おまかせコース」の途中では、大根おろしと鰹節に特製のポン酢がかかった一品が口直しとして出されます。
さっぱりとした大根おろしとポン酢のさわやかな風味で口の中がリセットされ、次のメニューに進みやすいです。
締めのデザートとおぶ漬け(お茶漬け)
![串の坊 デザート](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/281e80cb9b59c8eee94f6b0173722c9f-1024x576.jpg)
職人さんに「ストップ」と声を掛けると、一口サイズの旬の果物やゼリーがいただけます。
![串の坊 お菓子](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/30c01f611d03039f66cca263a8bcbafb-1024x576.jpg)
温かいお茶と一緒に昔懐かしいきな粉を使ったお菓子、飛騨高山の甘々棒(かんかんぼう)もいただけます。
お持ち帰りのお土産用としても販売しており、人気の商品です。
![串の坊 おぶ漬け1](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/0176f22bbeb578161a684112865328c2-1024x768.jpg)
串カツの締めには、デザートだけではなくおぶ漬け(お茶漬け)も好評です。
![串の坊 おぶ漬け2](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/f4470ae8ed91f4d18df5f71ca5446cf3-1024x768.jpg)
「アツアツの串カツを頬張って、キャベツのぶつ切りと野菜スティックをかじり、最後におぶ漬け(お茶漬け)でサラッと締める」のが串の坊法善寺本店のスタイル。
お好みでごま塩・あられ・塩昆布を乗せて、ほうじ茶をかけていただきます。
さっぱりとしたお茶漬けは締めにぴったりの一品です。
塩昆布は、戎橋筋商店街にある創業約170年の老舗昆布屋「をぐら屋」の最高級昆布です。
お土産にも普段遣いにもぴったりなので、気になる方はぜひお店にも立ち寄ってみてください。
ぶらっとなんばでも詳しくご紹介しています。
創業170年、老舗昆布屋「をぐら屋大阪戎橋筋」の新定番おみやげをご紹介。
3代目社長・広瀬さんに聞く「串の坊」誕生秘話
串の坊法善寺本店の歴史
串の坊法善寺本店は、1950(昭和25)年に大阪法善寺の界隈に廣瀬一夫さんが創業して以来、約71年続く老舗の串カツ専門店です。
屋号の枕につけている「八丁味處(はっちょうところ)」は、現在では使われなくなった大阪の方言である「ハッチョミトコロ」という言葉からきており、「中途半端な、やりっ飛ばしな」という意味があります。
「店や商売が中途半端にならないように、どなたにも褒めていただける様なお店になれるように」という願いを込めてつけられました。
串カツというと現在ではお店の中で座って食べるものが一般的ですが、もともとは祭時などの屋台で売られており外で食べることが多く、子供のお駄賃でも買えるほど安くてお腹にたまる食べ物の代表でした。
そんな串カツをレストランのような形態で、店舗内で提供するスタイルを確立したのが、1937(昭和12)年に大阪で創業した「五味八珍(ごみはっちん)」と、法善寺にある本格串カツの老舗「知留久(しるひさ)」です。
残念ながら「五味八珍(ごみはっちん)」は現在閉店されていますが、串カツの元祖ともいわれており、様々な旬の食材を組み合わせて串に刺し提供し始めたお店だそうです。
創業者の廣瀬さんは「知留久(しるひさ)」で修行を積まれ、師弟関係にあたり、現在提供されている「おまかせコース」のスタイルや串ネタの開発、技術など守りながら、法善寺水掛け不動尊の近くで「串の坊法善寺本店」を創業しました。
修行を経て伝統と技術を受け継ぎ、法善寺水掛不動尊の近くで「串の坊法善寺本店」を創業しました。 始めは席数が12~13席とカウンターが1本のみのこじんまりとした個人商店でしたが、徐々にファンが増えていき、移転と改装を重ね現在の場所に落ち着きました。
![串の坊 外観](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/07/16f8bce0b8e80e6f758abf3a12405ae1-1024x768.jpg)
現在のお店は、もともとは旅館と喫茶店だったふたつの建物をくっつけて増築したものだそうです。
移転してから増改築するまでのしばらくの間は、串の坊で串カツ専門店を、隣の店舗ではお好み焼きと焼きそばの店を営む2店舗体制で営業されていたそうですが、好評だった串の坊に店舗を統一し、入り口も一カ所にまとめました。
現在も店内にその名残を見ることができます。
くっつけた2軒の建物それぞれの高さが違ったため、繋いだ境目が段差になっています。
もともとあった動線をそのまま使用しているためか、室内の構造が複雑になっており、点検にきた消防の方が「まるで忍者屋敷のようで方向感覚がわからなくなる」と言われたというエピソードも。
店舗もどんどん拡大していき、地元民が通いたくなる名店となった串の坊法善寺本店は、関西だけではなく関東でも愛される串カツ専門店になり、多くの関連店を持つようになりました。
串の坊法善寺本店の今後の抱負
創業71年と半世紀以上も続く長い歴史のなか、串カツ一筋の専門店として伝統を守りながら創作串カツを生み出してきた串の坊法善寺本店。
3代目代表取締役社長として多大な活躍をし続ける広瀬和貴さんに今後の抱負をお伺いしました。
創業者であるお父様の意志を受け継ぎ、思うことは「来ていただいたお客様にいつまでも満足してお召し上がりいただけるお店であり続けたい」という普遍的な願いの追求。
「70年以上串カツ一筋で商売をしてきました。おかげさまでお客様に支持していただき、今日を迎えております。これからも100年企業を目指していくうえで、串カツへの情熱の詰まった専門店として愛していただければと思います」 100年企業を目指す串の坊法善寺本店のこれからの活躍に、期待が高まります。
店舗情報
店名/串の坊法善寺本店
住所/大阪府大阪市中央区難波1-5-6
営業時間/11:30~21:00
定休日/年中無休(年末年始を除く)
電話番号/06-6211-1161
まとめ
今回は大阪・なんばの観光地として有名な法善寺横丁の入り口にある「八丁味處 串の坊法善寺本店」をご紹介しました。
目の前で1本ずつ丁寧に揚げた串カツをいただく「おまかせコース」や、特製の調味料を好みで漬けられるシステムなど、まさに「好きなものを、好きなように、好きなだけ」いただける自由さがとても魅力的です。
重厚感のある昔ながらの和の建築や、各地から集められた民芸品は、歴史を感じられるだけではなくゆっくりと時間が流れる癒しの空間を演出してくれます。
帰り際には受付でべっこう飴をいただけるなど、心遣いも行き届いてる素敵なお店です。
賑やかな都会から離れてゆっくりと心地のよい時間を楽しみたい方は、串の坊法善寺本店で特別な串カツを味わってみてくださいね。
![](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2021/06/c9aa0e4ca6977b7f5fa43de494e0ca9a.jpg)
猫とおいしいものをこよなく愛する、大阪出身・在住の食いしん坊ライター。
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