大阪・なんばエリアには、ラーメン店や餃子専門店など数多くの中華料理店が軒を連ねています。
その中でも今回は、本場の“長崎ちゃんぽん・皿うどん”が味わえる「中央軒本店(正式名・中央軒難波4丁目本店)」をご紹介。
歴史あるグルメ街、通称・座裏(なんば楽座)に位置しており、テレビや情報誌にも取り上げられるほどの有名店です。
看板メニューの長崎ちゃんぽん・皿うどんについてはもちろん、「なぜ大阪に長崎ちゃんぽんを広めたのか?」といったいきさつや、中央軒スタイルのおすすめの食べ方など、中央軒の2代目・代表取締役の田中信敏さんに取材してきました。
なんば周辺で美味しい中華料理が食べたい方やボリューム満点のランチが食べられるお店を探している方、サクサク食感が魅力の皿うどんを職場や自宅でも食べたい方は、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
60余年の歴史ある中華料理店
南海なんば駅前から北に伸びる御堂筋の西側エリア、通称・座裏(なんば楽座)は大阪・なんば界隈でも歴史あるグルメ街で有名で、その中でも中央軒本店は1958(昭和33)年に創業して以来このエリアとともに歩み続けています。
なんば・心斎橋といった大阪市内を中心に14店舗展開しており、「長崎ちゃんぽんと言えば中央軒」と言われるほど関西人に愛され続けているお店です。
店内に入ると、「まいどー!いらっしゃい」という元気いっぱいのスタッフさんたちが出迎えてくれます。
シンプルな店内が特徴で、席は36席。アクリル板のパーテーションや消毒用アルコールの設置など感染症対策も徹底していますので安心して食事を楽しむことができます。
出前館やDiDiFoodなどのデリバリーサービスやテイクアウトも対応可能で、注文時に「皿うどんの麺とあんかけを分けて持ってきてほしい」などといった希望も丁寧に聞いてくれるのが嬉しいポイント。
そういったところから、地元の方やなんばエリアにお勤めの方、小さなお子さまがいる家族連れの方、さらに本場の味を知る長崎県出身の常連の方も多いそうです。
“本物の長崎の味を大阪に”創業者の熱い想い
“なぜ大阪に長崎ちゃんぽんのお店を出そうと思われたのか?”をたずねたところ、繊維関係の仕事で大阪に移住した長崎出身の創業者・田中庄八さんが、大阪で食べた1杯のちゃんぽんが長崎で食べるちゃんぽんとかけ離れた味と見た目だったのに衝撃を受けたのがきっかけだったとか。
当時の大阪には中華料理店が少なく、ちゃんぽんのことを色々な具材が混ざったあんかけタイプの料理だと思っていた関西人が多かったそうで、郷土愛がとても強かった庄八さんが「本物の長崎ちゃんぽんを大阪に広めたい」と決意したのが中央軒のはじまりです。
その後、昔からご縁があった占い師さんに「ミナミの真ん中で商売をはじめるのが良い」とアドバイスされ、今ある難波4丁目(座裏・なんば楽座)に9坪のお店をオープン。
お店が大きくなった現在でも、その時の助言を守りこのエリアに店舗を構えています。
また、“ミナミの真ん中”という由来から「中央軒」という屋号がつけられたとのこと。
食いだおれの街で育った関西人の舌を満足させるためには本場の美味しさを知ってもらう必要があると思った庄八さんは、日本三大中華街のひとつである長崎新地中華街で活躍していた中国人の料理人を雇い、麺や具材も長崎県から取り寄せ、白湯スープで煮込む本場の長崎ちゃんぽんを再現することに成功しました。
本場の長崎ちゃんぽんを知らなかった関西人からは、珍しいうえにボリューム満点、栄養満点と好評になり、毎日行列ができるほど人気店に。
さらに、当時まだ長崎でもめずらしかったパリパリあげ麺を使う皿うどんをメニューに加えると、近くのキャバレーなどから「取り分けて食べるのに都合が良い」と口コミが広まり、出前の注文がひっきりなしにくるようになったそうです。
「毎日、出前の注文だけで300件ほど入るので、ずんどう鍋いっぱいのあんかけと大量のあげ麺を出前先に持っていき、直接お皿に盛って渡していた」と、当時の目まぐるしいほどの忙しさを教えてくれました。
そんな忙しい中でも、庄八さんは“元気の良い接客”を常に心がけていたそうで、その想いは現在も受け継がれており、店に入ると元気なスタッフさんたちが出迎えてくれます。
名物“長崎ちゃんぽん・皿うどん”のこだわり
「美味しさの秘訣は約60年の歴史とともに、麺とスープ、厳選された素材にこだわり続けた結果です」と田中さん。
長崎の自社工場で製造している皿うどんの自家製パリパリ麺と、長年お付き合いのある大阪の製麺工場で作られるちゃんぽん用の自家製生麺が特徴です。
パリパリ食感がたまらない皿うどんの麺は、長崎県にある雲山の澄み切った湧き水と保存料一切なしの材料、また受け継がれた秘伝の製法で作られており毎日出来たてが配送され、ちゃんぽんの麺は小麦粉の調合を整える配合水、麺を熟成させるための温度管理など、長年の経験の中で培った技術と徹底した管理のもとで作られています。
スープは、コクと深みがあるオリジナルスープが魅力。
その理由は、ねぎやしょうがなどの香味野菜、豚げんこつの髄、鶏ガラを毎日8時間以上じっくり煮出したコラーゲンたっぷりの白湯スープを使用しているところに秘密があります。
また、塩味を引き立てスープの色味も損なわない調味料として薄口醤油を使用しているのも美味しさの秘訣だそう。
凝縮された12種類の具材の旨みが詰まった中央軒の特製スープは、最後の一滴まで飲み干したくなる美味しさです。
キャベツや玉ねぎ、もやしなどの新鮮な国産野菜、国産豚肉、エビやイカなどの魚介類など、ボリューム満点で栄養豊富な素材を贅沢に使用するのが中央軒スタイルです。
また、悪玉コレステロールや血中中性脂肪を下げる効能がある不飽和脂肪酸を多く含んでいる“100%キャノーラ油”を全ての料理に使用しているのもポイント。
ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富で、ヘルシーな味わいと健康にこだわった素材選びから、女性やお子さまはもちろん、野菜不足が気になる方にも大人気です。
中央軒スタイル!おすすめの食べ方
長崎ちゃんぽんのおすすめの食べ方を田中さんに伺ったところ「私は、上にのっているたまごを割って、麺や具材とからめて食べるのが好きです」とのこと。
他にも、ちゃんぽんの上で温まったたまごを白ごはんの上にのせ、たまごかけご飯にして食べる方や、たまごをお皿の横に置いて最後に食べる方など、人それぞれの食べ方で楽しめます。
長崎スタイルで皿うどんを食べたい方は、長崎限定で発売されている皿うどん専用“金蝶ソース”をかけるのがおすすめ。
化学調味料を使用せず、タイム、クローブ、セージ、ナツメグなど20種類以上のスパイスで調合した、スパイシーで酸味がきいた皿うどん専用ウスターソースとの組み合わせは1度食べたらやみつきになりますよ。
ランチタイムに大人気!おすすめメニュー
名物・皿うどんと天津飯、マーボ丼、焼きめしといった人気ご飯メニューをセットにした「ハーフ&ハーフ」は、がっつり食べたい方に大人気です。
「あんかけ焼きそば」のやわらかい麺と、野菜と魚介の具だくさんあんかけの相性はバツグン。
濃厚ながら優しい味付けが何度食べてもクセになります。
中のご飯は一般的なチキンライスではなく、焼きめしをベースに仕上げているのが中央軒の「オムライス」です。
テレビや雑誌でも取り上げられたことがある、知る人ぞ知る人気メニューです。
生姜の効いた具だくさんの「餃子」もおすすめ。
そのまま食べても美味しいですが自家製タレとの組み合わせも絶品です。
また、にんにくが入っていないため仕事の合間や休憩時間でも気兼ねなく食べられますよ。
入り口付近に置いてある「お土産用皿うどん」は、本場の味を気軽に楽しめるうえに、麺を茹でて炒めるも良し、揚げるのも良しとお好みで調理可能。
また、4人前の麺とスープが入っていて1袋480円(税込)とリーズナブルな価格帯が嬉しいところです。
毎日食べても飽きない味”が魅力
「何十年、毎日食べても飽きないんです。また、これからも“中央軒の味”を多くの方に知ってもらいたいですね」と、田中さんは笑顔で答えてくれました。
創業当時から変わらない味を守り続けることはもちろん、時代の変化とともに柔軟に対応しながら成長していく、これからの中央軒にも期待が高まります。
店舗詳細
店名/中央軒難波4丁目本店
住所/大阪市中央区難波4-2-11 本社ビル1F
電話番号/06-6631-5515
営業時間/平日 11:00〜22:30(L.O22:00)
祝日 11:00〜21:00(L.O21:00)
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日の記載が異なる場合がありますので、ご了承ください。
定休日/日曜日
アクセス
※最寄りから案内します。
1、各なんば駅下車後、なんばウォークB7出口からでます。
2、すぐ右手にある“なんば楽座”のアーチ看板をくぐります。
3、そのまま30秒ほど直進すると「中央軒難波4丁目本店」に到着します。
まとめ
今回は、長崎ちゃんぽん・皿うどんの元祖のお店、中央軒本店をご紹介しました。
創業者である田中庄八さんが「本物の長崎ちゃんぽんを大阪に広めたい」と決意したことからはじまり、今では「長崎ちゃんぽんと言えば中央軒」と言われるほどの有名店になりました。
名物である長崎ちゃんぽん・皿うどんはもちろん、人気のあんかけ焼きそばやオムライスなどメニューも豊富なので、何度立ち寄っても楽しめること間違いなしです。
明日のランチタイムを何にしようか迷われている方や、この記事を読んで長崎ちゃんぽんが食べたくなった方は、ぜひ足を運んで美味しい時間をお過ごしくださいね。
大阪生まれアラサー女子。
美容の仕事に携わりながらライターとして活動しています。
旅や海が好き、そして人、出会いが大好きです。
なんばエリアは、大阪で育った私でも、まだまだ知らない魅力がたくさん!
そんな、ワクワクするような魅力をたくさんの方にお届けしていきます。
どうぞ、よろしくお願いします。