大阪ミナミ界隈では御堂筋を中心にオシャレなカフェが増えている一方、今でも昭和の雰囲気が残る、いわゆる純喫茶と呼ばれるレトロな喫茶店が数多く存在します。
その中でも法善寺横丁にほど近い、南地中筋商店街にお店を構える「アラビヤコーヒー」という老舗の喫茶店をご存知でしょうか。長年の間、大阪ミナミのオアシス的存在として多くの人々から愛されているこの喫茶店は、地元の人だけでなく観光客や著名人も頻繁に訪れるほどの魅力があります。
この記事では、そんなアラビヤコーヒーのこだわりやおすすめの人気メニュー、アクセスを写真と動画付きでわかりやすくご紹介しています。
アラビヤコーヒーの歴史
昭和26年の1951年、法善寺横丁にほど近い南地中筋(現在と同じ場所)に先代のマスターである髙坂光明さんがアラビヤコーヒー店を開業、2021年で70周年を迎えるという歴史のある喫茶店です。
店内の様子はまさに純喫茶のイメージを彷彿させるクラシカルな内装で、カウンターで使われているイスは先代がテーブルを改造して製作したものが使用されています。
また壁に飾られている木彫りのレリーフや、店内に貼られているキャッチコピーといった先代マスターの作品が並び、手作りの温かみが伝わってきます。
階段を上った先の2階フロアには先代マスターの思い出の品や、開店当時に使用されていた手回しの焙煎機などがずらりと展示されています。
テーブル席に座りながらノスタルジックな雰囲気に浸って美味しいコーヒーが飲めるのも魅力のひとつです。
著名人たちがこよなく愛する味
先代の奥様はなんと女性プロ野球選手(昭和25年~30年頃まで女子プロ野球リーグが存在していた)ということもあり、現在も球界の名選手が集うこともしばしば。カウンターの後ろにはサインボールが数多く並んでいます。
また歌舞伎や歌劇、漫才といった芸能が公演されていた劇場にほど近いこともあり、出番前の腹ごしらえとして来店する芸人さんや、法善寺にお参りする度に来店される歌舞伎役者など多くの有名人が来店されることもあるそうです。
先代マスターの時代からいつしか著名人が集まるお店となり、世代が交代してもアラビヤコーヒーの魅力が引き継がれ、今なお愛され続けているのです。
そのことが口コミで広がり、著名人が東京などから大阪に来るたび通うほどの愛してやまない味であり、テレビや雑誌でオススメされることでも有名。ファンの方々が聖地巡礼で訪れるほどの人気店なのです。
特に名物メニューの「アラビヤサンド」は、お土産や楽屋への差し入れでよく注文が入るほどの人気メニューです。
一般的にタマゴサンドのサンドイッチといえば、ゆでたまごを潰してマヨネーズと混ぜたものをイメージしますが、ふわふわの厚焼きタマゴをカリッと焼いたパンで挟んだ、大阪では親しみのある昔ながらのたまごサンドが特徴的ですので、他府県の方には少し珍しく見えるかもしれません。
ふんわりした食感でありながら、コクのある味は食べ応え抜群で冷めても絶品です!
アラビヤコーヒーの2代目マスター
そんな多くの人々から愛されてるアラビヤコーヒー店を営んでいるのは先代から受け継いだ2代目マスターの髙坂明郎さん。実は過去に南地中筋商店街の2代目会長をされていたこともあり、ミナミ界隈の歴史や街の成り立ちなどにも造詣が深い一面も。
奥様の久美子さんとご夫婦で営むアラビヤコーヒーはどこかアットホームで、まさに大阪ミナミにある都会のオアシス的な存在です。
「コーヒー豆は自分たちで焙煎していることが強み」と話す髙坂さん。
看板メニューのコーヒーはブラジルやコロンビアなど数種類の豆から選ぶことができ、ドリップされコーヒーは華やか香りや特徴ある苦味を楽しむことができます。
本物志向の多彩なメニュー
コーヒーやフードといった多彩なメニューはどれも幾度となく試作を繰り返しており、納得のいく味を追求しているのですべてが自信作という本物志向のこだわりがうかがえます。
開業当時はトーストなどシンプルなメニューから始まったそうですが、今ではメニューの種類が豊富でどれをオーダーしようか悩ましくなるほどのラインナップ。
新メニューの開発だけでなく、既存メニューのグレードアップにも取り組み、ご夫婦で試行錯誤しながら時代とともに進化させてているという徹底ぶりです。
軽食からホットケーキといった幅広いメニューがすべて人気なのは老若男女が集う人気店ならでは。
大人の甘党が好むテイストのクリームソーダはインスタ映えするビジュアルということもあり、SNSを中心に支持されている人気のメニューです。
自家製のコーヒーゼリーやガトーショコラはどれも久美子さんのこだわりが詰まったメニューであり、特に新発売のガトーショコラはケーキと比べて手軽なサイズ感になっており、97%チョコレートを使用しておりその味はとても濃厚。珈琲と一緒に気軽に本格な味わいを楽しめる一品です。
また最近メニューに加わった一押しメニューの自家製プリンは、奥様の久美子さんこだわりと想いが詰まった一品。
久美子さんが子供のころに食べていた母親の味を再現して、自分の子供にも食べほしいという想いから始まり、レシピにアレンジを何度も加えながら「自分が食べて美味しいと思えるものを出したい」「お客様に胸を張って美味しいと言えるものをお出したい」と考えながら自分が納得いくまで試作を何度も繰り返したそう。
すこし大きめのプリンにはこだわりの低温殺菌牛乳を使用しており、一般的な牛乳と比べてくさみが少ないのであっさりと濃厚な味わいを堪能できます。
「うちのお店に来る人はチェーン店では味わえない、本物の味を求める人ばかりなのでこだわりを持って作っている」
本物の味に対するこだわりやポリシーは確実にメニューに反映されており、味の虜となってしまうことでしょう。
珈琲豆の販売やネット通販も
自慢のコーヒーに使われる焙煎豆の販売も行っており、店頭だけでなくネットでの通信販売でも手に入れることができます。
注文をいただいてから焙煎するので時間がかかってしまう点や、送料負担であるにもかかわらず全国各地から定期的に注文されるリピーターの方も多いそうです。
アラビヤコーヒーの味が全国各地の自宅や職場で気軽に味わえるので、訪れたことがある方も初めての方も利用してみてはいかがでしょうか。
通販サイトだけでなく、FacebookやInstagramのDMメッセージからも注文可能なので、SNSを利用している方なら気軽にオーダーできますよ。
【通販サイトはこちら】
【公式Facebookはこちら】
【公式Instagramはこちら】
店舗詳細
店名/アラビヤ珈琲店
住所/大阪市中央区難波1‐6‐7
電話番号/06-6551-1054
営業時間/10:00~19:00(年中無休)
※現在は営業時間短縮の為、12:00~18:00(10月より土日祝は10:00~18:00)の営業です。
総席数/50席(カウンター7席、テーブル43席)
公式ホームページ
公式Facebook
公式Instagram
公式オンラインショッピングサイト
アクセス方法
①地下鉄なんば駅14番出口(御堂筋沿い)から地上に上がって、南地中筋商店街に入り南側に向かいます。(14番出口の階段から地上に出たら左の道に入ります)
②道なりに直進して、戎橋筋商店街を横断します。
③左手に見える大きな看板が目印です。
アクセス方法を動画でも案内しています。
まとめ
最近では純喫茶めぐりが密かなブームになるほど、カフェにはない昭和レトロな喫茶店の魅力に惹かれる若者も増えてきています。
またショッピングや観光、街あるきで疲れたらホッとひと息できる喫茶店があるのは嬉しいですよね。
こだわりのコーヒーを飲みながら、著名人が愛してやまない味を一緒に堪能することで、贅沢なひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。
コーヒー好きにはたまらない、老舗の味と魅力がここにはあります。
関西を拠点に取材ライターとして活動中。
イベント取材やお店の魅力を紹介したり、コラム記事を書いたり。
足で稼いだ大阪ミナミのお役立ち情報を発信します!