宝恵駕(ほえかご)行列とは、商売繁盛を願う今宮戎(いまみやえびす)神社の十日戎にあわせて行われる、大阪ミナミに新春を告げる伝統行事です。この記事では、過去の記録をもとに大阪ミナミエリアの歳時記としての宝恵かご行列と2026年の開催内容を解説しています。
宝恵かご行列とは?
宝恵かご行列とは、大阪ミナミに新春を告げる一大伝統行事です。
例年1月9日(宵えびす)、10日(本えびす)、11日(残り福)の3日間で100万人以上の参拝者が訪れる、商売繁盛を願う今宮戎神社の十日戎にあわせて行われます。


今から200年以上前の元禄期(1688年~1703年)に大阪ミナミの芸妓さんが船場の旦那衆の代わりに、紅白のおめでたい布やさまざまな縁起物で飾り立てられたかごに乗り、今宮戎神社に参詣したことに始まります。かつてミナミ(南地)は2千人もの芸妓を擁する日本最大の花街でした。その伝統は一時途切れましたが今は5人の芸妓さんが誕生しています。
かごの周囲を「間(別名:太鼓持ち、男芸者)」と呼ばれる人々が取り囲んで行列をつくり「ホエカゴ、ホエカゴ」のかけ声をかけながら、巡行したそうです。
最盛期の明治・大正・昭和の戦前には、約100挺ものかごが華やかさを競いました。
その伝統は今日にも引き継がれ、現在は宝恵駕振興会(会長 鳥井信吾サントリーホールディングス株式会社代表取締役副会長)が主催し、商店街14団体らによる宝恵駕行列実行委員会(会長 上山勝也道頓堀商店会会長)が運営を行います。
行列は、町役を先頭に古式ゆかしい鯛を乗せた福みこしやお多福などの縁起物の駕(かご)、芸妓衆と続き、地元商店街や企業が飾り立てた駕(かご)に歌舞伎俳優や文楽人形、芸妓衆、落語家や漫才師、スポーツ選手など各界のスターや商店街の代表、福娘が参列、その総勢は約数百名にのぼり、全国的にも有名な奉納行事となっています。
南海難波駅から一駅のところにある、今宮戎神社は「えべっさん」の愛称で親しまれている天照皇大神・事代主命(ことしろぬしのみこと)・外三神をお祀りしています。

聖徳太子が西暦600年に四天王寺を建立する際に、その西方を鎮護としてお祀りされたのが始めと伝えられています。
左脇に鯛を右手に釣竿をもつ戎(えびす)さまは、漁業の守り神で、福徳を授ける神、商業の繁栄を祈念する神としても厚く信仰されるようになりました。
2026年の開催日
宝恵かご行列の開催は、例年1月10日(本えびす)の日。2026年は1月10日(土)です。
宝恵かご行列に乗る有名人
かごに乗る有名人は毎年異なり、誰が乗るのかわくわくするのも宝恵かご行列の楽しみのひとつです。2026年に乗られる方々をご紹介します。
映画「国宝」大ヒットの立役者 四代目 中村 鴈治郎さん、日本舞踊上方舞山村流の六世宗家家元三代目 山村友五郎さん、NHK連続テレビ小説「ばけばけ」に出演中の円井わんさん、OSK日本歌劇団の翼和希さん、松竹芸能の代走みつくにさん、MBSのアナウンサー上田芹莉さん、吉本興業のオール阪神・巨人さん、阪神テイチクレコードから演歌歌手の青山新(しん)さん。
そして、セレッソ大阪・ヤンマーレディースをはじめミナミにゆかりのあるトップスターと福娘代表、戎橋筋や心斎橋筋、宗右衛門町の各商店街の代表がかごで参列します。
では、気になる宝恵かご行列を見るにはどうしたらいいのか?次でご紹介しましょう。
宝恵かご行列が通るルート(コースマップも)
宝恵かご行列の先発隊出発式は9時50分頃、道頓堀川の遊歩道(とんぼりリバーウォーク)で行われます。振興会のご挨拶、大阪締めと慣習により芸妓をのせた宝恵かごを駕籠上げします。
出発式の後、10時20分頃に太左衛門橋(たざえもんばし)北詰の元南地大和屋前(宗右衛門町(そうえもんちょう)のホリディ・イン大阪難波前)から行列がスタートします。

このあと、宗右衛門町から堺筋をまわって道頓堀へ進み、グリコの看板で有名な戎橋(えびすばし)上に到着するのは10時40分頃。ここで大阪締めで出立を祝います。
お祝いの席などで一本締めや三本締めをする機会があるかと思いますが、大阪には、大阪ならではの「大阪締め」という手締めがあります。
「打ちまーしょ」のかけ声とともにパンパンと2回手を打った後に「もうひとつせー」で2回、「祝(いお)うて三度」でパパンパンと手を打ちます。
三本締めと違って、最後だけ3回打つのが初めての人には難しいポイントです。
戎橋の上からは、4商店街のかごが揃う人気の撮影スポットです。戎橋筋商店街のかごには、加盟店の中から551蓬莱 本店、なんばマルイのスタッフ2名が順番に乗って皆様に福をお届けします。
11時頃に戎橋から宝恵かごが出発します。戎橋筋商店街内のアーケードを進み、千日前通りを渡ります。大阪グルメを代表する「551蓬莱」の本店の前を左折し、難波センター街へ入っていき、なんばグランド花月を経て、なんば南海通りを南海難波駅の方面に向かいます。

11時35分頃、「なんば広場」に到着。その後隊列は、なんさん通りを南へ進んでいきます。

今宮戎神社の境内に近づいたらかごをおりて徒歩で向かいます。12時30分頃に到着予定です。

人をかきわけながら今宮戎神社の境内に入り、本殿の前で芸妓の宝恵かごをかご上げし、参詣します。
往路は、屋台でにぎわうお帰り道を北へと進みます。途中でかごを降りて、なんばCITYのなかを徒歩で通り抜け髙島屋大阪店へ。13時45分頃になんば広場を出発し、戎橋筋商店街内を北へ進むと、戎橋に到着します。
この時点でおよそ14時20分頃。戎橋を出発してから、約3時間20分の巡行です。

詳しいコースマップはこちらをご覧ください。
昼の部はこれで終了ですが、宝恵かご行列には地元大阪の人にもあまり知られていない「夜の部」があります。次にこちらをご紹介します。
特別イベント「夜の宝恵かご行列」
ご紹介した「昼の宝恵かご行列」とは別に、例年、地元の4つの商店街(戎橋筋商店街、心斎橋筋商店街、宗右衛門町商店街、道頓堀商店会)が協力して、夜の宝恵かご行列を開催しています。
今宮戎神社へお参りした際にいただいた「福を街に配って回る」という役割を持っており、各商店街のかごに付けられた提灯に明かりを灯して練り歩く光景は、昼とは違った風情を楽しめます。

夜の部の出発は19時頃。約1時間かけて「ザ・ワンファイブホテル大阪なんば道頓堀」から宗右衛門町を東に向かい堺筋~道頓堀~戎橋へと巡行します。
まとめ
大阪ミナミエリアの伝統ある新春行事「宝恵かご行列」をご紹介しました。
当日は多くの人出で賑わうことが予想されます。事故がないように、かごからは距離をとってご覧いただきますようにお願いいたします。
動画でも宝恵かご行列をご紹介しています。今年もなんば広場での巡行をご覧いただけます。
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