ビデオゲームで対戦する「eスポーツ」がスポーツ競技として、オリンピック種目に加える可能性があるのを知っていますか?海外ではさまざまな大会が開かれており、eスポーツ市場は急速に広がっています。
最近では日本国内でも盛り上がりを見せる中、南海電鉄が運営する「eスタジアムなんば Powered by NANKAI」がなんばスカイオ5階にオープン。なんばに誕生した話題のeスポーツ施設の取り組みをご紹介します。
南海電鉄がeスポーツ事業に参入
なんばは歴史ある娯楽文化の発信地であり、古くは文楽や道頓堀の芝居小屋、松竹座や映画発祥の地など多くの文化が生まれてきました。南海電鉄ではこれまで独自に大阪球場やアイススケートといった娯楽施設を創設。なんば駅前におけるエンターテイメントの文化を根付かせてきました。
そして新たなまちづくりの一環として、新しい時代のキラーコンテンツとなるeスポーツ事業に参入。また企画運営では業界の先駆者であるエンターフォース株式会社(福岡県)とウェルプレイド・ライゼスト株式会社(東京都)と業務提携を結び、未来への文化創造を目指します。
大阪球場でのプロ野球を通じて感動したように、eスポーツでも感動を届けたい。なんばをeスポーツの聖地として発信していくことを目標にオープンした施設です。
eスタジアムなんば店内の様子
店内には大会やイベントを開催できるブースが常設され、その場ですぐにライブ配信ができる機材も常設。店内には専門のスタッフも配置されており、学生たちの部活動やコミュニティが中心となったオンラインでのイベントや試合も開催できます。
法人利用(※ただし有料)も可能で、今後はなんば発のさまざまなイベントの開催が期待されます。
サポートメーカー製の高性能グラフィックボードを搭載したゲーミングPCや、表示フレーム数の多いモニタだけでなく、キーボードやマウス、デスクチェアやヘッドセットなどプレー環境には欠かせないアイテムが揃ったショールームとして、店内に気軽に立ち寄ることも可能です。
来店の際はなんばエリアのゲーミングPC販売店への案内だけでなく、部活やコミュニティへのマッチングもサポート。eスポーツ業界のハブ的な役割を担います。
選手を全面的にバックアップ
eスポーツでは試合を有利に進めるため、高性能なスペックでのプレー環境が常に求められています。コンマ1秒の判断で勝敗が分かれることもあるため、処理が速いPCや表示能力が高いモニタ、遅延の少ない高速ネット回線といった設備が必要です。このような環境を用意するには数十万円もの費用がかかりますが、学生による部活動の一環なら施設利用は無料で開放。整備された環境での練習試合などにも活用できます。
プレーだけでなく選手たちのメンタル面もサポート。eスポーツ企業と神戸大学が連携して、ゲーム依存症対策の専門家である精神科医による助言や定期的にセミナーなども開催する予定です。
はじめての関西学生選手権が開催
eスタジアムなんばでのはじめての大会「第1回関西eスポーツ学生選手権2021」が開催され、7月18日におこなわれた決戦の模様がYouTube Liveで生配信されました。
大会のテーマとしてeスポーツの教育的価値の向上、大人たちが若者の夢をサポートできる社会環境などを掲げており、関西の中学生から高校生、大学生や専門学生の各チームが参加。学生たちに夢と可能性を与える、まさに甲子園のような活躍の舞台が開催されました。
実況はeスポーツアナウンサーのeyes氏、ゲストに元プロプレーヤーで現在プロリーグのコーチでもあるリールベルト氏を解説にお招きして、臨場感あふれる試合を全世界に配信。その模様はアーカイブとして現在も視聴が可能です。
今回の大会は「League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)」というタイトルで、5対5のチーム戦がトーナメント形式でおこなわれました。各選手がドラフト形式でキャラクターを選択、相手チームの本拠地にあるネクサスと呼ばれるタワーを先に破壊したチームが勝利というルールです。
フィールド内に出現する敵を倒しながら経験値を積み、レベルアップをしながら相手の本拠地に攻め込む必要があります。個人のテクニックだけでなく、連携プレーや助け合いなしではチームを勝利に導くことはできません。
コンマ1秒での動きで勝敗が分かれるシビアな操作、チームプレーでの起死回生、素早いテクニックや判断などはまさにアスリートさながら。練習で積み重ねた実力を本番で発揮できるかの真剣勝負が繰り広げられました。
優勝チームには南海電鉄のイノベーション創造室副室長の和田真治さんより表彰状、神戸大学大学院の曽良一郎教授より優勝トロフィーがオンライン上で授与され、盛り上がりの中で惜しまれつつ大会は終了しました。
まとめ
なんばひろば改造計画を皮切りに、2025年には大阪万博、そして2031年なにわ筋線の開業で環境が大きく変わろうとしているなんば駅周辺。さらなる活性化を図るひとつのコンテンツとして、学生たちが集い活躍できる街、eスポーツを通じて想い出に残る街として、なんばがeスポーツの聖地になることが期待されます。
なんばエリアでは「eスタジアムなんば Powered by NANKAI」だけでなく、eスポーツに特化した商品の販売や施設が数多くありますので、気になる方はあわせてチェックしてみてください。
過去に開催されたなんばeスポーツ大会も要チェック!
施設情報
施設名/eスタジアムなんば Powered by NANKAI
住所/大阪府大阪市中央区難波5−1−60(なんばスカイオ5階)
営業時間/11:00~20:00(なんばスカイオの営業により変更の可能性あり)
電話番号:06-4394-7045
アクセス/南海電鉄・地下鉄「なんば駅」直結
関西を拠点に取材ライターとして活動中。
イベント取材やお店の魅力を紹介したり、コラム記事を書いたり。
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