なんばエリアには数多くの商店街があり、そのなかでもなんばの中心部に位置する戎橋筋商店街(髙島屋大阪店からTSUTAYA EBISUBASHI間の約370m)は、歴史は古く、十日戎(とおかえびす)で有名な今宮戎(いまみやえびす)神社の参道として江戸時代に形成されました。
今日でもその賑わいは変わらず、約100店舗近いお店が軒を連ね、古くからのお店もたくさん残る歴史ある商店街です。
そんな商店街では、例年春と秋に、周辺地域の商いや街の魅力を普段できない体験を通じて知っていただき、また家族や知人との交流を楽しんでいただくことでなんばエリアのファンづくりにつなげる目的の体験型イベント「体験博」を開催しています。
この記事では、体験博のなかでも毎回人気のプログラム「大寅(だいとら)・上質のすり身と秋の具材でつくるオリジナル天ぷら」をご紹介します。
創業約140年の老舗・大寅の味を学びながら、天ぷらづくりが体験できるうえに、今回は特別に「なにわの名工」に選ばれたプロの技を間近で見ることができる充実した内容になっています。
体験内容や様子はもちろん、実際に参加された方の感想を交えながらご紹介していますので、体験博が気になっている方はぜひ最後までご覧ください。
※消毒、換気、ソーシャルディスタンスの確保等、新型コロナウイルス感染症対策をしっかりと講じた上で、イベントを実施しています。
どんなプログラムなの?
創業1876年(明治9年)の「大寅蒲鉾(だいとらかまぼこ)戎橋筋本店」は、大阪を代表する老舗かまぼこ店です。
かまぼこに使用する鱧(はも)などの素材の鮮度を大切にし、昔から受け継がれている製法にこだわり「大寅の味」を守り続けています。
また、伝統を守りつつ「スプーンで食べるかまぼこ」といった新感覚のメニュー開発も常にしており、時代の流れに合わせて進化し続けているお店です。
そんな大寅蒲鉾戎橋筋本店で、かまぼこづくりの歴史を学び、実際に本店の工房で季節の具材を練り物に混ぜた「オリジナル天ぷらづくり」を体験するプログラムになっています。
つくった天ぷらは持って帰ることができるうえに、人気商品のお土産まであります。
また、今回は体験博20回目の節目ということもあり、特別に「なにわの名工」による、かまぼこの手付け披露を間近で体験し、かまぼこの奥深さを知ることもできる充実した内容になっています。
教えてくれるのは老舗「大寅かまぼこ」の熟練スタッフ
市川知明氏
大寅蒲鉾株式会社の4代目社長・市川知明氏。今回は、体験内容の説明や進行役を務めます。
杉田之考氏
大寅蒲鉾株式会社の元取締役工場長で現顧問をしている杉田之孝氏。
大阪府から認められた「なにわの名工」としても有名で、「かまぼこ伝統師」という名で呼ばれることもあるそうです。
かまぼこづくりに55年以上携わり、長年培ってきた経験と知識を後輩指導に活かしながら、大寅の味を支え続けています。
今回はかまぼこの手付け披露をし、参加者の方にかまぼこの奥深さを知っていただくため、特別講師として参入です。
柏本憲一氏
大寅蒲鉾株式会社の営業部の柏本憲一氏は、ベテラン営業部としてかまぼこの魅力を楽しくレクチャーしてくれます。
プログラムの様子
会場・あいさつ
会場は戎橋筋商店街にある「大寅蒲鉾(だいとらかまぼこ)戎橋筋本店」です。
お店には、お祝いの席に欠かせない紅白のかまぼこや、夕食のおかずやお酒のあてにぴったりな練り天ぷら、またメディアでも紹介されている「スプーンで食べるかまぼこ」など、バラエティー豊かな商品が並んでいます。
まず、市川社長が戎橋筋商店街の歴史や体験博の説明、プログラムの紹介をします。
今回は感染症対策の一環として人数を減らし、午前・午後と各2名ずつでプログラムを実施。
選ばれた2名の方は「貴重な体験です」と、本日のプログラムを楽しみにされていました。
続いて、柏本さんが自己紹介をし、前半の天ぷらづくりスタートです。
準備
店内の奥にある工房に行き、準備に入ります。エプロン・帽子・手洗い・消毒など衛生面を徹底します。
天ぷらづくりの準備をしていると、大寅の小谷会長(前社長)が登場。
たまたま仕事で本店に立ち寄られたとのことで、参加者の方は創業当時からある工房の石畳のお話を聞いたり、小谷会長と記念撮影を楽しんだりと「こんな機会はなかなかないので感動です」と、思わぬサプライズに喜んでいました。
オリジナル天ぷらづくりスタート
まずは、柏本さんの指導のもと、魚のすり身を練るところからスタートです。
練り作業は、2℃に設定されているすり身を練っていき、手で練りながら温めていくことで、すり身にツヤや弾力が生まれるとのこと。
練りの作業はコツがいるので難しいらしいのですが、今回ご参加のおふたりは、料理が得意とのことだったので、スムーズに練り作業ができました。
一通り練ると、隠し味の「昆布だし」「ぶどう糖」を入れて、もう一度練り作業です。
作業をしながらも、質疑応答や柏本さんの楽しいトークで、和気あいあいとした様子でした。
練り作業が終わると、4等分にしたすり身の上に具材を入れます。
今回は、玉ネギ・エビ・イカ・枝豆・チーズ・しょうが・コーン・ごぼう・ネギの具材が用意され、各自好きな具材を自由に入れることができます。
もちろん、具材の組み合わせに困った時は、柏本さんがアドバイスしてくれますので、安心してつくることができます。
おふたりとも「何にしよう~」「子どもはエビが好きだからエビは入れよう」など、とても楽しそうな様子でした。
具材の組み合わせが終わったら、シャッターチャンスです。
天ぷらづくりの合間にも記念撮影できるようにと、柏本さんが手洗いの声かけをしてくれますので、ここでしか体験できない思い出を写真に残すこともできます。
撮影が終わると、すり身と具材が揚げた時に離れないように、再び練りの作業に入ります。
最後に、生地を成型していきます。
家族の人数分と、出来上がりをすぐに食べる自分用とに分けて、前半の天ぷらづくりは終了です。
「なにわの名工」の手付け披露
プログラムの後半は、2階のお部屋に移動して少休憩をはさみながら、大寅の歴史やこだわりがわかるビデオの鑑賞です。このビデオでは、大寅のこだわりである、新鮮な鱧などのすり身やかまぼこの製法なども詳しく知ることができます。
現在は感染症対策のために、本店とは別場所にある工場見学はされていないとのことですが、普段は小学生の社会見学などの受け入れもしており、その時に流す貴重なビデオだそうです。
ビデオ鑑賞が終わると、なにわの名工・杉田さんが登場し、包丁さばきを間近で見せてくれます。
用意されていた鱧(はも)を綺麗に開き、骨をとったり、皮と身を外したりと、長年培ってきた熟練の包丁さばきを見せてくれました。
続いて、かまぼこの手付け披露です。
手付けとは、専用の包丁を使い、手作業でかまぼこの板にすり身をのせて形をつくっていく作業のことをいいます。現在では、この作業を機械でするかまぼこ店も多いとのことですが、大寅では今も変わらず手付け作業をしてかまぼこをつくっています。
かまぼこの手付け以外にも、断面が渦巻き模様の「なると巻き」やお正月かまぼこの「紅白大板」、お祝いごとやプレゼントにも喜ばれる「細工かまぼこ」など、参加者のリクエストにも応えて披露してくれました。熟練の技が間近で見られるのも、体験博の魅力のひとつです。
完成・試食
杉田さんの手付け披露が終盤に差し掛かるころ、前半でつくった天ぷらができあがり、試食タイムです。
「美味しい~」と、参加者の方はできたての天ぷらを味わいながら、完成した自分の手づくり天ぷらを見て嬉しそうな様子でした。
最後に時間の許す限り、市川社長・柏本さん・杉田さんとの質疑応答もあり、会場は盛り上がりました。
自分でつくった天ぷらの他に、大寅の人気商品「スプーンでかまぼこ」のお土産を受け取り、プログラムはここで終了です。
参加者の感想
「なにわの名工、社長や会長などの有名な方に会えてとても嬉しかったです。また、天ぷらづくりが本当に楽しかったです。何度も応募していましたが今回はじめての当選でした。本当に貴重な体験をありがとうございました」
「天ぷらづくりがとても楽しく、できあがった天ぷらを食べたときは感動しました。杉田さんの手付け披露やお話も楽しかったです。また、大寅かまぼこ買いに行きますね」
店舗情報
店名/大寅蒲鉾(だいとらかまぼこ)戎橋筋本店
住所/大阪市中央区難波3-2-29
電話番号/06-6641-3451
定休日/正月三が日、3・4月のみ第1・第3月曜定休日
公式ホームページ
まとめ
今回は、「大寅・上質のすり身と秋の具材でつくる『オリジナル天ぷら』」の内容を詳しく紹介しました。
約140年の老舗かまぼこ店の天ぷらづくりを体験し、プロの技を間近で見ることができる、普段なかなかできない貴重な体験になっています。
お料理が好きな方はもちろん、天ぷらづくりに興味がある方、また老舗の味を知りたい方などに参考になる内容になっており、充実した時間になること間違いなしです。
大寅の天ぷらづくりに少しでも興味のある方は、ぜひ次回の体験博にご応募くださいね。
大阪生まれアラサー女子。
美容の仕事に携わりながらライターとして活動しています。
旅や海が好き、そして人、出会いが大好きです。
なんばエリアは、大阪で育った私でも、まだまだ知らない魅力がたくさん!
そんな、ワクワクするような魅力をたくさんの方にお届けしていきます。
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