今宮戎神社の十日戎・宝恵駕(ほえかご)行列4年ぶりに催行【2024年度版】

宝恵駕(ほえかご)行列とは、商売繁盛を願う今宮戎(いまみやえびす)神社の十日戎にあわせて行われる、大阪ミナミに新春を告げる伝統行事です。

2021年~2023年は残念ながら中止となり4年ぶりの催行です。この記事では、過去の記録をもとに大阪ミナミエリアの歳時記としての宝恵かご行列と2024年の開催内容を解説しています。

今宮戎神社公式ホームページはこちらです

目次

宝恵かご行列とは?

宝恵かご行列とは、大阪ミナミに新春を告げる一大伝統行事です。
例年1月9日(宵えびす)、10日(本えびす)、11日(残り福)の3日間で100万人以上の参拝者が訪れる、商売繁盛を願う今宮戎神社の十日戎にあわせて行われます。

宝恵かご行列
過去の様子 芸妓のかごが先頭を進みます
宝恵かご行列
過去の様子

今から200年以上前の元禄期(1688年~1703年)に大阪ミナミの芸妓さんが船場の旦那衆の代わりに、紅白のおめでたい布やさまざまな縁起物で飾り立てられたかごに乗り、今宮戎神社に参詣したことに始まります。かつてミナミ(南地)は2千人もの芸妓を擁する日本最大の花街でした。その伝統は一時途切れましたが今は5人の芸妓さんが誕生しています。

かごの周囲を「間(別名:太鼓持ち、男芸者)」と呼ばれる人々が取り囲んで行列をつくり「ホエカゴ、ホエカゴ」のかけ声をかけながら、巡行したそうです。
最盛期の明治・大正・昭和の戦前には、約100挺ものかごが華やかさを競いました。

その伝統は今日にも引き継がれ、現在は宝恵駕振興会(会長 鳥井信吾サントリーホールディングス株式会社代表取締役副会長)が主催し、商店街14団体らによる宝恵駕行列実行委員会(会長 平田康雄心斎橋筋商店街振興組合理事長)が運営を行います。

行列は、町役を先頭に古式ゆかしい鯛を乗せた福みこしやお多福などの縁起物の駕(かご)、芸妓衆と続き、地元商店街や企業が飾り立てた駕(かご)に歌舞伎俳優や文楽人形、芸妓衆、落語家や漫才師、スポーツ選手など各界のスターや商店街の代表、福娘が参列、その総勢は約数百名にのぼり、全国的にも有名な奉納行事となっています。

今宮戎神社について

南海難波駅から一駅のところにある、今宮戎神社は「えべっさん」の愛称で親しまれている天照皇大神・事代主命(ことしろぬしのみこと)・外三神をお祀りしています。

今宮戎神社

聖徳太子が西暦600年に四天王寺を建立する際に、その西方を鎮護としてお祀りされたのが始めと伝えられています。

左脇に鯛を右手に釣竿をもつ戎(えびす)さまは、漁業の守り神で、福徳を授ける神、商業の繁栄を祈念する神としても厚く信仰されるようになりました。

今年の開催日と順路

宝恵かご行列の開催は、例年1月10日(本えびす)の日となっています。
2024年は1月10日㈬です。

2024年宝恵かご行列に乗る有名人

かごに乗る有名人は毎年異なり、誰が乗るのかわくわくするのも宝恵かご行列の楽しみのひとつです。

2024年に乗られる方々を行列の本体隊列順にご紹介します。

松竹新喜劇の藤山扇治郎さん、国立文楽劇場から文楽人形遣いの吉田一輔さん、テイチクレコードから演歌歌手の青山新(しん)さん、日本舞踊上方舞山村流の六世宗家家元3代目山村友五郎さん、落語家の六代・桂文枝さん、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」に出演されている女優の富田望生(みう)さん、吉本興業から間寛平さん、松竹芸能のはっぴちゃん。、MBSのアナウンサー、OSK日本歌劇団男役トップスターの楊琳(やんりん)さん、セレッソ大阪・ヤンマーレディースはじめミナミにゆかりのあるトップスターと福娘代表、戎橋筋商店街のミズえびすばしや心斎橋筋、宗右衛門町の各商店街の代表がかごで参列します。

では、気になる宝恵かご行列を見るにはどうしたらいいのか?次でご紹介しましょう。

宝恵かご行列が通るルート(コースマップも)

宝恵かご行列の先発隊出発式は朝9時50分頃、道頓堀川の遊歩道(とんぼりリバーウォーク)で行われます。振興会のご挨拶、大阪締めと慣習により芸妓をのせた宝恵かごを駕籠上げします。
出発式の後、10時20分頃に太左衛門橋(たざえもんばし)北詰の元南地大和屋前(宗右衛門町(そうえもんちょう)のホリディ・イン大阪難波前)から行列がスタートします

宝恵かご行列
昨年の様子

このあと、宗右衛門町から堺筋をまわって道頓堀へ進み、グリコの看板で有名な戎橋(えびすばし)上に到着するのは10時40分頃。その間、各団体のかごが加わって行列が大きくなっていきます。

戎舞台とは?(2024年は行われません)

戎橋筋(えびすばしすじ)や戎橋(えびすばし)は、その名の通り、江戸時代から十日戎の参道として発展してきた歴史があり、戎橋の橋詰に舞台が建てられ奉納が行われたといわれています。

戎舞台

そんな今宮戎神社と戎橋の深いつながりにちなんで、2013年、道頓堀川開削400年を記念して、戎橋の南詰に舞台が仮設される古例を復活させました。例年1月8日夕方に行われる舞台開きのイベントの他、1月9日・1月10日・1月11日の3日間、日本舞踊・山村流上方舞やOSK日本歌劇団、よしもとをはじめ、多彩な芸能が奉納されます。

10時30分過ぎになると、かごが戎舞台に到着します。
ここで文楽、歌舞伎俳優、芸能人などが挨拶をし、大阪締めで出立を祝います。

大阪締めとは?

お祝いの席などで一本締めや三本締めをする機会があるかと思いますが、大阪には、大阪ならではの「大阪締め」という手締めがあります。

「打ちまーしょ」のかけ声とともにパンパンと2回手を打った後に「もうひとつせー」で2回、「祝(いお)うて三度」でパパンパンと手を打ちます。
三本締めと違って、最後だけ3回打つのが初めての人には難しいポイントです。

戎橋の上からは、4商店街のかごが揃う人気の撮影スポットです。戎橋筋商店街のかごには、今年は特別に第45代ミズえびすばしの3人が参列してくださいます。2020年以降は宝恵かごに参列いただく方の募集は行っていませんので急きょ駆けつけてくださいます。

2020年1月の宝恵かご行列の様子

10時50分頃に戎橋から宝恵かごが出発します。戎橋筋商店街内のアーケードを進み、千日前通りを渡ります。大阪グルメを代表する「551蓬莱」の本店の前を左折し、難波センター街へ入っていき、なんばグランド花月を経て、なんば南海通りを南海難波駅の方面に向かいます。

宝恵かご行列

今年は完成した「なんば広場」に出て髙島屋大阪店の前を左折し、なんさん通りを南へ進んでいきます。なんさん通りは2025年春を目標に歩行者空間化の工事が進んでいます。

なんば広場

今宮戎神社の境内に近づいたらかごをおりて徒歩で向かいます。12時過ぎに到着予定です。

宝恵かご行列 かご上げ

人をかきわけながら今宮戎神社の境内に入り、本殿の前で芸妓の宝恵かごをかご上げし、参詣します。

往路は、屋台でにぎわうお帰り道を北へと進みます。途中でかごを降りて、なんばCITYのなかを徒歩で通り抜け髙島屋大阪店へ。今年は13時頃~13時30分頃まで「なんば広場」の中で行列をみることができます。そして、なんばマルイ前を出発し戎橋筋商店街内を北へ進むと、戎橋に到着します。
この時点でおよそ午後1時45分頃。戎橋を出発してから、約3時間の巡行です。

2020年1月の宝恵かご行列の様子

詳しいコースマップはこちらをご覧ください。

昼の部はこれで終了ですが、宝恵かご行列には地元大阪の人にもあまり知られていない「夜の部」があります。次にこちらをご紹介します。

特別イベント「夜の宝恵かご行列」

ご紹介した「昼の宝恵かご行列」とは別に、例年、地元の4つの商店街(戎橋筋商店街、心斎橋筋商店街、宗右衛門町商店街、道頓堀商店会)が協力して、夜の宝恵かご行列を開催しています。
今宮戎神社へお参りした際にいただいた「福を街に配って回る」という役割を持っており、各商店街のかごに付けられた提灯に明かりを灯して練り歩く光景は、昼とは違った風情を楽しめます。

宝恵かご行列 夜の部
夜の宝恵かご行列は提灯の灯りでとても情緒があります

夜の部の出発は18時50分頃。約1時間かけてホテルイビススタイルズ大阪から宗右衛門町を東に向かい堺筋~道頓堀~戎橋へと巡行します。

まとめ

大阪ミナミエリアの伝統ある新春行事「宝恵かご行列」をご紹介しました。
当日は多くの人出で賑わうことが予想されます。事故がないように、かごからは距離をとってご覧いただきますようにお願いいたします。

私どもも被災地にも福が届くことを願いながら巡行をいたします。

動画でも宝恵かご行列をご紹介しています。現場の雰囲気がよくわかりますので、こちらもぜひご覧ください。

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