400年近い歴史を持ち、今もなお大阪庶民の信仰を集める「法善寺」。“水掛不動尊”や“水かけ不動さん”の名前で親しまれる緑の苔に包まれた「西向不動明王」が祀られていて、国内外からたくさんの観光客がお参りに訪れます。
そんな人気のお寺で、写経体験ができることをご存じでしたか?大々的に告知などはされておらず、問い合わせがあれば日時を調整するというスタイルのよう。自宅でも写経をしているスタッフの山本事務局と、偶然にも浄土宗が設立した高校に通っていたライターの西村のふたりで伺ってきました!
まずは法話を通じで、「法善寺」や写経のことを学ぶ

まず、写経体験がどのような流れでおこなわれるか紹介しておきましょう。写経をする場所ですが、「法善寺」の庫裡(くり)にある、長机と椅子が用意された和室を使用します。
写経の前に、副住職の法話があります。季節や参加者の年齢によって話す内容を変えるそうですが、「法善寺」の歴史や写経に用いられる「一枚起請文(いちまいきしょうもん)」についても教えてくださいます。

「一枚起請文」とは、浄土宗の開祖・法然上人が建暦2年(1212年)1月23日、入寂の2日前に弟子・勢観房源智に授けたもので、「南無阿弥陀仏」と称えることこそが、極楽往生の唯一の道であるという教えが記されています。
心を落ち着かせて「一枚起請文」に向き合う

法話が終われば、いよいよ写経を始めていきます。机に置かれた写経用紙にはすでに「一枚起請文」が薄い文字で書かれているので、そちらを上から筆ペンで丁寧になぞっていきます。しかし、パソコン仕事が多く、ペンで文字を書く機会が極端に減っているライター西村は、正確に文字をなぞることだけでもひと苦労!指がつりそうになりながら、なんとか書き進めていくと、次第に筆運びも楽に。同時に集中力も増してきて、雑念なしに写経に取り組むことができました。
一方の山本事務局は、自宅で写経をしているおかげか、最初からずっと高い集中力を保ち、自分のペースで最後まで書き続けていました。

写経のスピードも人それぞれで、ライター西村は15分ほど、山本事務局は30分かけて書き上げました。完成したふたりの写経を見比べてみると、文字の上手さや丁寧さが違っていて、性格がそのまま出ているよう・・・(写真手前が山本、奥がライター西村の写経です)。
副住職に、きれいに書けなかったと伝えると「写経は上手に書こうとしなくていいのですよ。大事なのは、今の自分の心と向き合いながら書くことです」とのアドバイスをいただきました。なるほど、下手な字ですが、自分と向き合うことは達成できたかもしれません。書き終えた写経は持ち帰らず、「法善寺」に奉納します。御朱印をいただいたら写経体験は終了です。
書き上げたという満足感と清々しさを得た写経体験

自宅でも写経をしている山本事務局に、写経体験の感想を聞いてみました。「筆ペンで使用するので、本筆より気軽で書きやすかった。書き始める前は最後まで書けるかな?と思っていたけれど、だんだんと無心になって、一画ずつ丁寧に、30分ほどで完成させることができた。書き上げた!という満足感と清々しさが体験できましたね」と、とても満足気な様子。無心になれたのは、ライター西村も同様で、無心になるほど集中して何かに取り組むのは、こんなに気持ちがいいものなのかと実感しました。「写経は功徳を積む行為なので、良いご縁が返ってくる」と副住職に教えていただいたので、心のリフレッシュも兼ねて、また体験に訪れたいと思います。
写経体験だけでなくお守り作り体験もできます
写経体験は定期開催ではなく、問い合わせがあれば相談のうえで日時を決めるスタイル。人数などによって異なる場合もありますが、写経体験の初穂料は2,000円~。所要時間は約1時間です。1回で15名ほどの受付が可能です。

また「法善寺」では写経体験だけでなく、健康や学業成就などそれぞれの願いを込めた、世界にひとつだけのお守りを自分の手で作る体験もできます。こちらも詳細は問い合わせを。

普段お参りするだけだった「法善寺」ですが、法話を聞き、写経をすることでグッと身近な存在になったような感じがしました。心を込めて380字ほどの「一枚起請文」を書き写す写経体験で得られる、穏やかで特別な時間。忙しい毎日を過ごす人にこそ体験して欲しいと思います。
施設名/浄土宗 天龍山 法善寺
住所/大阪府大阪市中央区難波1-2-16
電話番号/06-6211-4152
参拝時間/24時間
水掛不動尊・金毘羅天王・お初大神・二河白道堂へのお参りは24時間いつでも可能
授与所受付時間/10:00〜18:00
写経体験の開催日時や料金については問い合わせを
公式ホームページ
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フリーランスのエディター&ライター。なんばの劇場に足繁く通うお笑い好き。美味しいものに目がなく、雑誌やテレビでおすすめグルメやスイーツを紹介することも。
