忙しい日々の暮らしの中、わずかな時間でも絵や写真などの芸術に触れると心が和むという方、また芸術を生み出すアーティストのなかには自身の作品を展示できるスペースを探しておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は大阪なんばの戎橋筋(えびすばしすじ)商店街内にあり、創業約400年となる老舗の「ナルミヤ戎橋画廊」を紹介していきます。
「画廊」とは、絵画などの美術品を陳列するところであり、ギャラリーともいいます。
オーナーの油野さんにナルミヤ戎橋画廊の魅力や長い歴史のなかでのほっこりエピソード、また「ギャラリーを借りるには?」など詳しく教えていただきました。
絵画が好きな方はもちろん、癒しの場所を探されている方、また大阪観光で来られた方、さらに展示スペースを探されているアーティストの方にも参考になる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
ナルミヤ戎橋画廊とは
ナルミヤ戎橋画廊は「作品発表の場」「集いと癒しの空間」という想いでつくられた、気軽に立ち寄れる都会のギャラリーです。
油彩画・日本画・水彩画・ちぎり絵などの絵画や書道・写真、また彫刻・陶芸などの立体作品、さらに個展もあればグループ展もあります。
多彩なアーティストの感性豊かな展覧会を、週替わりで鑑賞し楽しむことができる場所です。
一般的な画廊は、都会より少し離れた静かな場所に位置することが多いのですが、ナルミヤ戎橋画廊は人が賑わう戎橋筋商店街内にあり、交通の便が良いことから、リピーターの方はもちろん、ショッピングの途中でふらりと鑑賞に来る新規の方も多いのが特徴です。
エレベーターを完備しており、お手洗いもバリアフリー対応になっていますので、車椅子の方やご年配の方でも安心して作品を楽しむことができます。
![ナルミヤ戎橋画廊](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2020/09/d96a8df81577b384936ea297645700a5.jpg)
油野オーナー
「集いと癒しの空間」の想いのなかには「喫茶店のような気軽に集うことができる場所であること。また芸術に触れて多くの人の心を癒せる空間であること」という油野オーナーの想いが詰まっています。
また、「ミナミの美術の拠点になるような場所をつくりたい」という先代社長の強い想いを引き継ぎ「人と人、人と作品の出会いの場をこれからも目指していきます」と、油野オーナーから力強いお言葉をいただきました。
展覧会があるごとに施設入口には看板が立ちますので、気になる展示があった場合は、ぜひ気軽に入ってみて芸術の時間を堪能してください。
また、公式サイト内にも展覧会の情報が掲載されていますので、興味のある方はご確認くださいね。
ナルミヤ戎橋画廊公式ホームページ
ギャラリーを借りるには
館内には2階に2会場、3階に2会場と合計4会場あり、展示作品に合わせて1フロア貸しや全館貸しもできます。
2階は画廊事務所がありスタッフさんに声をかけやすい会場で、3階は2階より天井が高いので大きな作品の展示におすすめです。
![ナルミヤ戎橋画廊](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2020/09/b93687eaebb65b9e3233873c43ca0d62.jpg)
寒色照明
![ナルミヤ戎橋画廊](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2020/09/91dce55058c50fa37f47118714fe5a7d.jpg)
暖色照明
会場の照明は寒色照明と暖色照明、また両方の照明を付けることも可能ですので、自身の作品に合わせた演出をすることができます。
椅子やテーブル、立体作品展示用の台の用意もありますが、もし足りない場合は持ち込みもOKとのことです。
また、エレベーターを完備していますので、100号サイズの大作も搬入搬出できます。
冷蔵庫やポットなどがある給湯室も設けられており、展示している間は自由に利用できる点も嬉しいところですね。
![ナルミヤ戎橋画廊](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2020/09/d2cbd3c534f546507e1d058cd28f872d.jpg)
ギャラリーイメージ
事前の見学・下見はもちろんOKです。
何も無い空間を見ることも良いですが、他の方の作品を展示している期間に見学しにきてイメージづくりするのがおすすめだそうです。
例えば絵画であれば、家で並べたイメージと、展示スペースでのイメージは全く変わってくるとのこと。
展示の仕方は、画廊に長年携わってきたプロのスタッフさんが丁寧にアドバイスしてくれますので、初めての方や配置に困った場合でも安心して相談することができます。
また、事前に相談しておくと飲食の持ち込みも◎で、展覧会終了日の打ち上げをされる方も多いそうです。
アーティストの方への想い
油野さん自身も絵を描くそうで、「命の吹き込まれた作品は全てが素晴らしいです。そういった作品をこれからの若い世代の人にも感じてほしいです」とのこと。
また、画廊の利用に関しては「『こうしなければならない』をつくらないようにしています。この空間を活かして『その人の世界観をつくりあげる』ということを重要視していますので、安心してご相談ください」と教えていただきました。
先ほども紹介したように油彩画・日本画などの絵画から書道や写真、また陶芸といった立体作品はもちろん、映像作品などにも対応可能です。
自身の作品を展示したい方から趣味でつくった作品を発表したい方、また芸術系の学校の学生さんの作品展など、アーティストひとりひとりの「こうしたい」を大切に空間づくりしてくれるのが魅力的です。
少しでも気になる方は、ぜひお問い合わせくださいね。
代々から続く想い
![ナルミヤ戎橋画廊](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2020/09/747aa4c6c2782e5987a55a7cc0666e49.jpg)
終戦直後のナルミヤ
![ナルミヤ戎橋画廊](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2020/09/ff7ac7a0506392472858aa7d054e4173.jpg)
終戦直後のナルミヤ(店内)
約400年の歴史をもち、戎橋筋商店街内でも最も古いお店のひとつであるナルミヤ戎橋画廊の初代は漢方医と伝えられています。
戎橋筋の西側に広大な敷地を持ち周辺の開発に合わせて薬種商「杏花堂成見屋薬舗」を開業しました。当時の大阪では「成見屋の薬」として有名だったそうです。
![ナルミヤ戎橋画廊](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2020/09/647a0f46661e12041a85480a453e4e37.jpg)
昭和33年改修時
![ナルミヤ戎橋画廊](https://ebisubashi-magazine.com/wp-content/uploads/2020/09/ef36ae167b00132c7db47611232bdee5.jpg)
昭和33年改修時(店内の喫茶室)
戦後、もともと絵や写真が好きだった先代社長の想いから、美術工芸品や絵画を扱うコーナーを設けたのがきっかけで、昭和33年の店舗建て替えの際に薬局を廃業し、画廊とインテリア雑貨を取り扱うお店をはじめました。
「ミナミの地に美術を根付かせたい」という初代社長の想いを引き継ぎ、油野さん自身も絵筆をとって作品づくりをしながら「ナルミヤ戎橋画廊」を運営するようになったそうです。
画廊としての歴史も約65年あるなかで、「昔インテリア雑貨店をしていた時の商品のひとつであった『人形』を絵に描いてくれて、画廊で展示してくれた方がいたのは嬉しかったですね」という、素敵なエピソードも聞かせていただきました。
今後の新しい取り組み
年配の方や脚の不自由な方など家から出ることができない方のために、オンラインでも芸術を楽しむことができる取り組みを今後していくそうです。
芸術は直接見て体感するのも重要なことですが、どうしても家から出ることができない方や芸術に少し興味を持ちだした若い層の方などにも、気軽に芸術の素晴らしさを感じてもらいたいという想いから生まれた案です。
今後のナルミヤ戎橋画廊にも期待が膨らみますね。
施設情報
施設名/ナルミヤ戎橋画廊(えびすばしがろう)
住所/大阪市中央区道頓堀1-9-3
電話番号/06-6211-7692
営業時間/11:00~19:00
定休日/木曜日
ナルミヤ戎橋画廊公式ホームページ
アクセス
1、各なんば駅下車後、なんばウォークB12出口からでます。
2、左手すぐに「戎橋筋商店街アーケード」がありますので、中に入ります。
3、戎橋筋商店街を直進します。
4、1分ほど歩くと左手にFANCL戎橋本店が1階に入った建物が見えます。その建物の2階・3階が「ナルミヤ戎橋画廊」です。
まとめ
約400年もの歴史があるナルミヤ戎橋画廊を紹介しました。
今回取材させていただいた油野オーナーをはじめ、画廊に関わるたくさんの方が丁寧に取材に応じてくださり、優しさと力強さをいただいた貴重な時間でした。
展覧会場としての利用をお考えの方は、ぜひお問い合わせしてスタッフのみなさんの優しさに触れてみてくださいね。アーティストひとりひとりの世界観をつくりだすことに全力で協力してくれますので、最初から最後まで安心して展覧会をすることができます。
また、芸術が好きな方はもちろんですが、癒しの空間を探されている方や芸術に少しだけ興味がある方でも安心して鑑賞できる場所ですので、なんば周辺に来られた方はぜひ足を運んでみてください。
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大阪生まれアラサー女子。
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