ミナミの夏の風物詩「船乗り込み」2019

ミナミに夏の訪れを告げる恒例の「船乗り込み」が2019年7月1日(月)に行われました。

大阪松竹座「七月大歌舞伎」前に行われる「船乗り込み」は、毎年恒例の行事であり、水都大阪の夏を代表する風物詩のひとつです。
この記事では「船乗り込み」とはいったいどんな行事なのか?どこで開催されるのか?など基本的な情報から、写真スポットや参加する上でのポイントなど「船乗り込み」の楽しみ方を紹介します。
例年かなりの混雑が予想されますので、必ず現場のスタッフや警備員の指示に従ってくださいね。

目次

2019年のスケジュール

2019年度「船乗り込み」の当日スケジュールは以下の通りです。

13:30 式典開始(八軒家浜 京阪天満橋駅北側)
14:00 乗船、出航
(天満橋・大川~天神橋~高麗橋・東横堀川~農人橋~日本橋・道頓堀川~太左衛門橋~戎橋)
14:40 船上より口上(とんぼりリバーウォーク 戎橋東側)
15:00 式典開始(大阪松竹座)
15:30 終了予定

雨天決行、当日警報が発令されている場合は15:00頃より大阪松竹座前での記念式典のみ開催されます。

船乗り込みとは?

船乗り込みとは、江戸時代から続く伝統行事です。

江戸や京都の歌舞伎俳優が大阪で芝居をするとき、船に乗って川筋をめぐりながら、沿道の歌舞伎ファンにご挨拶し、道頓堀の芝居小屋へ乗り込んだ行事で、昭和の時代に一度途切れてしまいましたが、関西の歌舞伎復興に尽力されている「関西・歌舞伎を愛する会」により、昭和54年に55年振りに復活。
色とりどりの幟(のぼり)や提灯に飾られた船に、歌舞伎俳優や関係者が乗り込み、賑やかな鐘と太鼓のお囃子を流して、沿道のファンに応えます。
昭和54年の復活以降、大阪の夏の風物詩として人々に愛されてきました。

関西・歌舞伎を愛する会とは?

関西での歌舞伎公演をもっと盛り上げて、次世代に文化を継承していこうと尽力されているボランティア団体です。

昭和53年(1978年)「関西で歌舞伎を育てる会」を結成。
当時の関西における歌舞伎公演の状況は、たいへん厳しいものだったそうです。

そんな時に「いま何か手を打たなければ歌舞伎発祥の地、関西で公演が見られなくなってしまう…。まだ一度も歌舞伎を見たことがない若い世代の方にも、歌舞伎の素晴らしさを知ってもらおう…」と歌舞伎復興への強い思いに多くの方が共鳴しました。
大阪の民間労働組合の呼びかけによって、行政、経済界、労働界、学者文化人、市民の多くの方々が結集し、「関西で歌舞伎を育てる会」が結成されました。
平成4年(1992年)に「関西・歌舞伎を愛する会」に名称を変更しました。

では、そんな「船乗り込み」はいったいどんな様子なのか?次でご紹介します。

船乗り込みの様子

2019年度の船乗り込みは「関西・歌舞伎を愛する会」の結成40周年記念ということもあり、より一層華やかに行われました。

京阪天満橋すぐの八軒家浜から出発。
出発前の口上を一目見ようと多くの歌舞伎ファンが訪れました。

いよいよ出発。
船上からの風景。

川筋にもたくさんのファンが手を振ります。

戎橋では、多くの報道陣や歌舞伎ファンがお出迎え。

さて、船上からの様子は報道陣や関係者しか見られないのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は一般の方も船乗り込みに乗船するチャンスがあります。

船乗り込みに一般の人も乗れるの?

実は「船乗り込み」は少数ではありますが、一般参加者の方も乗船できます(乗船無料)。
6月中旬頃に大阪松竹座の公式ホームページで募集要領が公開されます。
応募ははがきで、10組20名の募集です。

また前述でご紹介した「関西・歌舞伎を愛する会」の会員になると、こちらも抽選で乗船できるそうです。
「関西・歌舞伎を愛する会」公式ホームページ

残念ながら抽選に外れてしまった方は、当日道頓堀川の沿道で船乗り込みを見ることができます。こちらも間近に見ることができますので、次でおすすめポイントをご紹介します。

船乗り込みを見るには

一般の方は、道頓堀川の遊歩道(とんぼりリバーウォーク)から、船を見ることができます。
おすすめの写真ポイントはかに道楽の裏手側。歌舞伎俳優が乗船した船は、戎橋の手前、かに道楽の裏手側あたりに停泊するので、そのあたりの沿道で待っていると間近に見ることができます。

また船から下りた歌舞伎俳優たちは、船上でのご挨拶(口上)のあと、式典のため遊歩道から大阪松竹座まで徒歩で移動しますので、こちらも近くで見ることができるポイントです。
※式典を前列でご覧になりたい方は、船上でのご挨拶が終わるとすぐに大阪松竹座前に移動するのがおすすめです。

大阪松竹座前でのご挨拶と撒き手ぬぐい

船上からのご挨拶のあと、歌舞伎俳優たちは大阪松竹座へ移動します。

ここでの式典は「七月大歌舞伎」に出演する俳優さんたちがそれぞれ意気込みを語る、歌舞伎ファンにとってはたまらないポイント。片岡仁左衛門さんは「歌舞伎を観たことがない方を誘って、ぜひ劇場へお越しください」と呼びかけました。

また最後には、手ぬぐいをお客さんに撒く(まく)、撒き手ぬぐいをします。
もちろん集まった歌舞伎ファンは皆さん必死なのでなかなか取ることは難しいのですが、もし取れたらラッキーですね。
歌舞伎俳優さんたちも欲しがっている人のところに投げますので、しっかりPRすることが大切です。
ただ、手ぬぐいに必死になりすぎて、押し合いなどしないよう気をつけてくださいね。

まとめ

ミナミに夏を告げる風物詩「船乗り込み」をご紹介しました。
大阪松竹座での「七月大歌舞伎」の前に、歌舞伎俳優たちが道頓堀川に船で乗込み、沿道の歌舞伎ファンにご挨拶するこの行事は、間近で当代きっての歌舞伎俳優たちを見ることができる貴重な機会です。

例年梅雨の時期になりますので、蒸し暑いことが多いです。
水分補給や通気性のよい衣服を着用するなど、熱中症対策をしっかりしてくださいね。

今年の「七月大歌舞伎」は、7月3日(水)に初日を迎え、27日(土)が千秋楽です。
チケットは大阪松竹座公式ホームページから。

ぜひ、劇場街ミナミの夏の風情を楽しんでください。

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