【笑いあり涙あり】松竹新喜劇 錦秋特別公演のご紹介

舞妓はんと若旦那

大阪松竹座では、2019年11月13日(水)~11月24日(日)まで「松竹新喜劇 錦秋特別公演」が上演されています。

今回の錦秋特別公演は、令和となって初の大阪松竹座での松竹新喜劇となります。
公演内容は、「舞妓はんと若旦那」、「大阪の 家族はつらいよ」の豪華二本立てです。

第一部「舞妓はんと若旦那」は、昭和初期の初演より『さいなら』という演目で上演されてきた歴史のある作品で、劇団の中でも人気作となっています。祇園の舞妓と薬問屋の跡取り息子がそれぞれを想い合う恋愛姿とそれをとりまく祇園の人々の騒動が描かれています。

一方の第二部「大阪の家族はつらいよ」は、「男はつらいよ」シリーズでおなじみの山田洋次監督と松竹新喜劇が初タッグを組んだ新作です。

この記事では、舞台の見どころや公演詳細をご紹介していますので、ぜひ芸術の秋のおでかけに参考にしてください。

目次

あらすじ

舞妓はんと若旦那

祇園で活躍する舞妓の清香と薬問屋の若旦那の要二郎は相思相愛の日々を送っています。

舞妓はんと若旦那

連日お茶屋で遊びほうける要二郎を心配した母のお甲は、番頭の伊助をお茶屋へ向かわせます。

舞妓はんと若旦那

しかし、伊助までもが要二郎と酒を酌み交わし、楽しく踊り出すことに。

舞妓はんと若旦那

見かねたお甲は清香の心を試す為、要二郎に企てを提案します。

舞妓はんと若旦那

宮大工新吉も登場し、相思相愛の2人に訪れた試練、彼女の本心はいかに?!2人の結末はいったいどうなってしまうのでしょうか。

大阪の 家族はつらいよ

大阪は谷町六丁目(通称:たにろく)を舞台に繰り広げられる家族の物語です。
平田周造・富子夫妻と同居する長男家族と次男とのにぎやかな家族が描かれています。

大阪の家族はつらいよ

ある年の誕生日に、富子が夫である周造に望んだのは、離婚届へのハンコでした。突然の富子の申し出により、平田家にとってこれまでで最大の危機が訪れたのです。

大阪の家族はつらいよ

急遽(きゅうきょ)開かれた家族会議では、みんなが家族それぞれへの不満を口に出す事態になります。

そんな折、次男の恋人が平田家へあいさつに訪れます。一体、平田家はどうなるのでしょうか。大阪ならではの笑いあり涙ありの人情劇に注目です。

舞台の見どころ

舞妓はんと若旦那

松竹新喜劇の財産演目となる本演目は、過去には、二代目渋谷天外、藤山寛美が演じてきました。本舞台では、若手劇団員が挑戦するとあって、注目が集まっています。

植栗芳樹が演じる若旦那・要二郎と成瀬綾乃が演じる舞妓・清香の恋愛模様が描かれる本作品では、要二郎のライバルである宮大工役を舞台外でも活躍している渋谷天笑が演じます。

演出には新派の齋藤雅文が起用され、番頭の伊助役には曽我廼家文童、お甲役には大津嶺子、さらにはOSK日本歌劇団の白藤麗華が芸者を演じるなど多彩なキャストが盛り上げます。

大阪の 家族はつらいよ

「男はつらいよ」、「家族はつらいよ」のシリーズでおなじみの山田洋次監督と人情喜劇が人気の松竹新喜劇が初めてのタッグを組む作品です。
脚本、演出では、関西の演劇界で活躍するわかぎゑふを迎え、大阪ならではの家族模様が描かれます。

山田洋次監督自身が大阪府豊中市出身ということもあり、大阪にまつわる喜劇を温めていたそうです。その想いが実現した本作品では、関西にゆかりのある俳優を集め作られています。
見ているうちに思わず共感してしまう、笑いあり涙ありの舞台をご覧ください。

観劇レビュー

松竹座入り口

11月18日の夜の部(16時スタート)を観覧しました。
開場は、開演30分前の15時30分から。
休憩は2回ありました。「舞妓はんと若旦那」と「大阪の 家族はつらいよ」の合間に30分、「大阪の 家族はつらいよ」は前半と後半に分かれていて、途中に15分休憩があります。

全席指定なので、座席確保のために急がなくても大丈夫です。開演の10分前くらいに到着しても間に合います。
まずはエントランスでチケット確認をします。手間取らないために、館内に入る前にすぐにチケットを出せるよう準備しておきましょう。

松竹座館内

館内に入ると、エスカレーターで上の階に上がります。
車いすの方は、エスカレーターの手前にエレベーターが設置されていて利用できるようになっています。

大きな荷物がある方は、1階の右手にある受付で預けておきましょう。
小さな荷物は、後程ご紹介する、3階のロッカーを利用してください。

松竹座売店

さて、2階に上がると、売店があります。

売店では、お土産のほか、休憩の合間に食べられるお弁当や軽食、飲み物も売っています。
お弁当は30分休憩の時には、すでに売り切れている商品もありました。気になるお弁当があれば、開演前に購入しておきましょう。

松竹座公演プログラム

松竹座プログラム

公演プログラムの販売もあるので、買い忘れにご注意くださいね!
内容を確認できるように、見本も置かれています。

プログラムは、売店の他、3階にある1階席の通路にて販売。公演の合間には、売り子さんが座席をまわって売り歩いていました。

3階に上がると、1階席が広がっています。

松竹座コインロッカー

小さな荷物がある方は、3階(1階席)の舞台向かって右手側にあるロッカーを利用してください。大きめサイズが12個、中サイズが16個用意されています。

今回は、2階席なので、さらに4階へのぼります。

松竹座2階席

2階席の7列目、端の席で、座席からはこのような眺めとなります。座席は傾斜がつけられていて前の方の頭も気になりません。

花道などをしっかりと観たい方は、1階席や2階席でも横側や前方の席を選ぶといいですよ。
比較的舞台との距離が近く役者の表情も見える範囲です。声もしっかりと聞こえるので、2階席でも安心してご覧いただけます。

さて、今回、身長135cmの娘を同伴して観劇させていただいたのですが、スタッフの方が気を使って座布団をご用意してくださいました。厚みのある座布団で、椅子の上に乗せて目線を上げることができます。お子様連れで観覧の際は、座布団をお借りくださいね。

トイレの数も限られていて2回目の休憩(15分休憩)のときは人が集まります。早めに並んでおくといいでしょう。

では、お待ちかね、公演の感想をご紹介しますね。

舞妓はんと若旦那

お話は、お茶屋さんで薬問屋の若旦那・要二郎が遊び惚けているシーンから始まります。華やかな着物を身につけた舞妓さんたちが優雅に踊る姿に目を奪われます。

舞妓の清香に恋心をいだく要二郎は、家に帰らずお茶屋に入り浸り。清香との結婚を望むのです。そんな状態を見かねた要二郎の母はお茶屋に出向き、要二郎と清香の本心を試します。ところが、本心を試した結果、2人には予想外の結末が待っていたのです。

これまで「さいなら」というタイトルでも上演されてきたとの前情報をいただいていたのですが、話しの最後で合点がいきました。なるほど、「さよなら」という言葉がこのお話にはぴったり。女性の恋心は、昔も今も変わらないもの。純粋に愛してくれる方と一生を添い遂げたいものですね。

大阪の 家族はつらいよ

「男はつらいよ」、「家族はつらいよ」のシリーズでおなじみの山田洋次監督と人情喜劇が人気の松竹新喜劇が初めてのタッグを組む作品。

大阪の中心に3世代で住んでいる平田家の主、平田周造が今回の主人公をつとめます。お話は、周造の妻、富子の誕生日から始まります。富子が誕生日に欲しがったものは、何と離婚届へのハンコでした。離婚をしたいといっても浮気ではなく、昔ながらの「亭主関白」という言葉がぴったりの周造に嫌気がさしてしまったのです。離婚話は、娘夫婦、息子夫婦や孫にも広がっていき。平田家は大騒動となりました。

前情報として「コレうちの話やん!」「お父ちゃんに見せなアカン!」という反響が続々と上がっているとの話を聞いていたのですが。まさに事実。舞台が進むにつれ、「これ、うちの父やわ!」「こんなんやっている!」「うちのお母さんとおんなじやん!」なんて言葉が何度も口から飛び出しました。
平田家の危機はどうなるのでしょうか?!

笑えるシーンがたくさんありますが、最後には涙するシーンで締めくくられます。忘れかけていた家族愛を堪能できる作品ですよ。

「舞妓はんと若旦那」、「大阪の 家族はつらいよ」ともに、笑って泣いて、とても楽しめる舞台でした。ぜひ、大阪松竹座へ足をお運びくださいね。

主なキャスト

松竹新喜劇チラシ裏

舞妓はんと若旦那

若旦那 要二郎/植栗芳樹
舞妓 清香/成瀬綾乃
宮大工 新吉/渋谷天笑

女将 おみつ/曽我廼家玉太呂
宮大工 棟梁権三/江口直彌
芸妓 千代葉/白藤麗華(OSK 日本歌劇団)

要二郎母 お甲/大津嶺子
番頭 伊助/曽我廼家文童

大阪の 家族はつらいよ

平田周造/渋谷天外
平田富子/井上惠美子

平田幸之助/曽我廼家八十吉
平田史枝/川奈美弥生

金井泰蔵/曽我廼家寛太郎
金井成子/泉しずか

平田庄太/藤山扇治郎
間宮憲子/桑野藍香

女将・加代/里美羽衣子

松竹新喜劇とは?

2018年に創立70周年を迎えた松竹新喜劇は、もとは、日本の喜劇の始まりであり、明治37年に道頓堀で旗揚げされた「曽我廼家五郎・十郎劇団」に遡ります。
曽我廼家五郎亡き後、曽我廼家五郎劇の劇団員、曽我廼家十吾が代表する「松竹家庭劇」、渋谷天外率いる「劇団すいと・ほーむ」の三団体によって松竹新喜劇は誕生しました。

藤山寛美をはじめ表現力豊かな俳優がそろい日本を代表する劇団としての地位を確立。昭和41年9月から昭和62年2月にかけては246か月連続公演を成し遂げました。
平成27年には代表作である「はるかなり道頓堀」にて第70回文化庁芸術祭賞大賞を受賞しています。
現在は、藤山寛美の孫である藤山扇治郎など若手世代も入団し、魅力的な俳優がそろう劇団として、老若男女問わず幅広い世代のファンから広く親しまれています。

公演詳細

公演名/松竹新喜劇 錦秋特別公演

公演日程
2019年11/13(水)~11/24(日)千秋楽

観劇料(税込)
一等席 11,000円
二等席 6,000円
三等席 4,000円

チケット予約
電話の場合 
チケットホン松竹 0570-000-489 (または、06-6530-0333)
午前10時~午後6時
※当日券は大阪松竹座窓口でのお取り扱い

Webの場合
チケットWeb松竹
24時間受付
http://www1.ticket-web-shochiku.com/t/

団体のお申し込みは06-6214-2212(営業課まで)
松竹ホームページ

会場/大阪松竹座

〒542-0071
大阪市中央区道頓堀1-919
(大阪メトロ「なんば駅」14号出口 徒歩1分)
電話/06-6214-2211

まとめ

令和になって初となる松竹新喜劇の公演情報をご紹介しました。
今秋の松竹新喜劇は、山田洋次監督とのタッグや、若手劇団員が挑戦する舞台ありと見どころが満載です。
ぜひ、秋のお出かけに、大阪松竹座で観劇してみてはいかがでしょうか。

舞妓はんと若旦那

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