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【開館50周年】リニューアルオープンした髙島屋史料館で芸術に親しむ

なんばエリアに隣接する日本橋には、でんでんタウンや黒門市場などがあり観光スポットとして人気です。この記事では、そんな日本橋エリアのなかでも堺筋沿いに建つ、髙島屋東別館の3階にある髙島屋史料館をご紹介します。

大阪を代表する百貨店「髙島屋」創業以来の豊富な資料を収集・保存し、広く公開・活用していくことを目的に1970(昭和45)年に開館。各時代の美術家との交流のなかで培われた美術作品など、エピソードとともに鑑賞できるとあって、長年たくさんの方に親しまれてきました。

2020年は開館50周年にあたり、2020年1月にリニューアルオープン。デジタル技術を活用し、多彩な資料や作品を自由に鑑賞・閲覧できる展示手法を導入するなど、さらに充実した髙島屋史料館の見どころなどをお伝えします。

※おでかけの際には、マスク着用のうえ、検温、アルコール消毒液での手指消毒やソーシャルディスタンスの確保にご協力ください。

目次

髙島屋史料館について

髙島屋史料館

現在は大阪に本社を置く大手百貨店の髙島屋は、もとは1831(天保2)年に京都の烏丸松原で初代飯田新七が古着木綿商(後に呉服商)として創業。髙島屋史料館は、髙島屋創業以来の豊富な資料を収集・保存し、広く公開・活用していくことを目的に、1970(昭和45)年に高島屋東別館3階に開館しました。

髙島屋史料館

アーカイヴス展示室

現在は、企業の歴史をひも解き、その精神や文化を受け継いで、高島屋の持つ基本的価値観や文化を社内外に発信するタカシマヤアーカイヴスの活動拠点としても使われています。
2020年は開館50周年にあたり、地元の方をはじめ国内外の方に親しんでもらえるようにリニューアルオープン。さまざまなテーマの企画展示や、近代日本の発展とともに歩んできた百貨店の歴史と役割を紹介するアーカイヴス展示室は随時展示替を行うなど、何度も足を運びたくなる工夫がされています。

最新デジタルシステム導入の館内

髙島屋史料館内は、1フロア構成で広々としています。企画展示室とアーカイヴス展示室、多目的ルームなどに分かれており、タッチ操作できるデジタルシステムが導入されていて、展示作品への理解がより深まるコンテンツが充実しています。

髙島屋史料館

ロビーの様子

髙島屋史料館

エレベーターを降りてすぐ正面に設置された髙島屋コレクションボードは、髙島屋史料館が多彩な収蔵品のなかから厳選した約700点のコレクションを、大きな液晶画面で鑑賞することができます。さらにお気に入りのコレクションを選んで、作品解説のプリントサービスも利用可能です。
館内には、コレクションボードで公開中の資料をより詳しく知るデータベースコーナーも設けられています。

髙島屋史料館

アーカイヴス展示室の入口すぐ左手には、壁に年表の映像が投影されています。
こちらはタッチ操作で動かすことができ、より詳細に出来事や時代背景を学ぶことができます。

アーカイヴス展示室(常設展示)

アーカイヴス展示室は「進取の精神」「美・アート」「暮らし」「まちづくり」「未来へ」という5つのテーマで構成され、随時展示替えが行われています。
※取材時と展示が変更になっている場合があります。ご了承ください。
館内は著作権等保護のため、一部展示をのぞき撮影禁止です。

髙島屋史料館

おすすめ見学ポイント

企業活動を通して収集した貴重な資料から、髙島屋といえば思い浮かべる方も多いローズちゃん人形やバラの包装紙や広告宣伝物などを、詳しい解説とともに見ることができます。ここでは、ほんの一部ですが、おすすめの見学ポイントをご紹介しています。

髙島屋史料館

国宝「玉虫厨子」復元品

日本鱗翅(りんし)学会創立15周年の記念事業のひとつとしてつくられた、奈良・法隆寺の大宝蔵院にある国宝「玉虫厨子」の復元品は、髙島屋大阪店で1960(昭和35)年に開催された「世界の昆虫科学展覧会」で展示されたものです。もともとは紀元2600年記念に1933(昭和8)年から15年かけて、奈良の漆芸家・北村大通によって戦前原形がつくられていたものに、日本鱗翅学会が全国の小中学生に呼びかけて集まったタマムシから5348枚を使い、髙島屋が全面協力して完成させたものだそうです。

国宝「玉虫厨子」は、1300年以上の歴史のなかで経年劣化し、今では装飾に使われたタマムシの羽のほとんどが失われてしまっています。平成に復元制作された玉虫厨子が2基(うち1基は法隆寺蔵)ありますが、こちらは法隆寺や各博物館が開催する展覧会でしか見ることができず、髙島屋史料館での常設展示は、玉虫厨子の本来の姿を見ることができる貴重な機会です。透かし彫りの金細工の下に輝くタマムシの羽の美しさは必見ですよ。

髙島屋史料館

1932(昭和7年)の全館開館時の南海髙島屋(現大阪店)のジオラマ模型は、建物外観にかかる垂れ幕や人々の服装など細かなところまでしっかりと再現されています。

髙島屋史料館

髙島屋専属の女性ファッションデザイナー、ドロシー・エドガースがデザインした洋装は昭和初期のものとは思えないほどスタイリッシュです。両親ともアメリカ人でしたが、父親が親日家で旧制学校の教師をしていたため、ドロシー・エドガース自身は日本育ちで日本人の文化や嗜好などもよく理解していたのだそうです。現代でも通じるおしゃれなスタイルは大好評を得ました。

髙島屋史料館

ファンも多い髙島屋グループのコーポレートマスコット「ローズちゃん」
髙島屋とかかわりの深い洋画家、髙岡徳太郎氏の考案で1959(昭和34)年のクリスマス装飾として制作された「ハッピーちゃん」がルーツです。今でこそ当たり前になった企業マスコットキャラクターですが、当時は百貨店がマスコットキャラクターを持つのは大変珍しかったのだとか。
現在もなお、日本全国の髙島屋各店でさまざまなローズちゃんがお客様をお迎えしています。

企画展示室

髙島屋史料館では、さまざまなテーマで年数回企画展示が開催されています。

館内は著作権等保護のため、一部展示をのぞいて撮影禁止です。
※撮影可能な作品・資料にはキャプションがついています。

髙島屋史料館

ロビーにあるローズちゃん人形は髙島屋史料館が収蔵する作品をモチーフにしたデザインで、こちらは撮影可能ですので、ぜひ記念撮影してください。

髙島屋史料館

リニューアルオープン記念に制作された大黒天ローズちゃん

コレクションについて

髙島屋史料館

髙島屋史料館で収蔵する資料は約5万点。美術好きの方でなくとも聞いたことのある名立たる作家の美術品や、髙島屋の歴史を感じることができる広告資料、創業家文書などが収蔵されています。

驚くことに髙島屋のコレクションは、創業者や企業が買い集めたコレクションというわけではなく、これまでの企業活動のなかで蓄積されてきた美術品を収集、保存しているのだとか。
その背景には、古都・京都の老舗ならではの歴史、京都の画家たちやその時代をときめく作家たちとの深いつながりがありました。

新型コロナウイルス感染症対策について

昨今の社会情勢を鑑み、髙島屋史料館では、館員の健康管理や館内の清掃、消毒を徹底し、検温・アルコール消毒の実施や受付での飛沫防止パネルの設置など感染症対策に取り組んでいます。

髙島屋史料館

来場される方は、マスクを着用の上、混雑を避けるため小人数での来館をお願いします。
また入館される際には、検温や手指消毒の実施などにご協力をお願いします。

そのほか感染症対策については、公式ホームページをご覧ください。

国の登録有形文化財「髙島屋東別館」の見どころ

髙島屋史料館

豊富なコレクションを有する髙島屋史料館のある「髙島屋東別館」は、2019(平成31)年に国の登録有形文化財となった歴史的価値の高い建物です。歴史様式にアールデコ調の装飾デザインを取り入れた昭和の華やかな百貨店建築を、現在に伝えます。

1923(大正12)年に竣工。木造3階建てで、なんと当時は髙島屋ではなく「松坂屋大阪店」の仮営業所でした。1928(昭和3)年には、6階建ての南側が建ち、さらに1934年(昭和9)年には北側が完成。1937(昭和12)年には3つの建物がひとつになり、国内最大級の百貨店が誕生しました。

現在では、大阪のメインストリートといえば梅田と難波をつなぐ御堂筋ですが、当時はまだ御堂筋が完成しておらず(御堂筋は昭和12年完成)、三越(北浜)や髙島屋(長堀橋)、松阪屋(日本橋)といった大手百貨店が建ち並ぶ堺筋が大阪のメインストリート的存在でした。

設計を手がけたのは「百貨店建築の名手」といわれ、文豪夏目漱石の義弟、鈴木禎次(すずきていじ)。鈴木禎次は、木造建築に替えて、石造りやれんが造りで名古屋の街を大変身させた建築家としても有名です。

1966(昭和41)年に、松阪屋が天満橋に移転。1968(昭和43)年に髙島屋東別館となり、1970(昭和45)年に髙島屋史料館が開館します。長年親しまれてきましたが、昭和建築を活かしたままリノベーションし、2020(令和2)年にリノベーションオープン。髙島屋史料館のほかに、世界的サービスレジデンス「シタディーンなんば大阪」やエンタメと食が楽しめる「コミュニティーフードホール大阪・日本橋」などがオープンし、なんば・日本橋エリアのランドマークとしてさらに注目を集めています。

髙島屋史料館

髙島屋史料館

髙島屋史料館

髙島屋史料館

外壁のテラコッタ装飾や、堺筋にそって続く11連アーチのアーケード、館内の天井照明など建物内をよく見ると、とがった葉っぱモチーフの装飾がところどころにあります。これは、「アカンサス(和名ハアザミ)」というギリシャの国花にも指定されている植物の葉をモチーフにしたもので、古代ギリシャ以来の主要な装飾モチーフです。

髙島屋史料館を訪れた際に、ぜひ見ていただきたいのが、昭和の華やかな百貨店建築の趣が残るエレベーターホールです。こちらはお手洗いに行くまでの導線にあります。特徴的な大理石造りやデザインは、古き良き時代の面影を色濃く残しています。

髙島屋史料館

髙島屋史料館

髙島屋史料館

ほかにも前述でご紹介した3Fエレベーターなど、「アカンサス」モチーフを随所で発見することができます。史料館はもちろん美と技がつまった建築的に価値のある髙島屋東別館もお見逃しなく。

施設詳細

施設名/髙島屋史料館
住所/大阪市浪速区日本橋3-5-25 髙島屋東別館3階
開館時間/10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日/火・水曜日・展示替期間・年末年始
入館料/無料
電話番号/06-6632-9102
髙島屋史料館公式ホームページ
髙島屋大阪店公式ホームページ

まとめ

私設の史料館とは思えないほどのコレクションで、貴重な資料や作品が鑑賞できるだけではなく、デジタル技術や映像を駆使してよりわかりやすい展示になっています。
なんばからもほど近く、また近鉄日本橋駅からも近いので、おでかけやショッピング、観光の合間に気軽に立ち寄ることができます。

また、館内にコインロッカーがあるので手ぶらでご覧になりたい方も安心です。なんばや日本橋を訪れた際にはぜひお立ち寄りください。

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