戎橋筋商店街にある「いちびり庵本店」は、大阪のお土産ものや商品を取り扱うお店で、ここでしか買えない、たこ焼き粉や地ソースの販売もあります。「大阪みやげ」と書かれたのれんから観光客メインのお店かと思いきや、大阪の魅力的な商品を求める地元のお客様も多いお店です。お土産の販売とともに、大阪の素晴らしさ・良さを伝えるための商品開発にも力を入れていて、これまでに開発した商品はどれも個性的で面白く、思わず手に取ってしまう、買わずにいられなくなるものばかりです。
今までどのような商品を開発してきたのか、選りすぐりの商品3つと400年以上続くお店の歴史についてご紹介します。
大阪城の石垣巡りができる「石垣タオル」
大阪城の石垣がデザインされた「泉州タオル」は、いちびり庵のスタッフが大阪城の石垣に出向いて調査し作られたデザイン。種類はさまざまで、どこの石垣をモデルにしたかの説明も付いており、実際にその場に行って楽しめます。場所によって石垣の組み方や大きさなどの違いを知ることができ、思わず大阪城に確認しに行きたくなるタオルです。
泉州タオルとは
大阪・泉州地域で生産されている、1887年(明治20年)に誕生した日本初の国産タオルです。タオルを織る時に糸切れを防ぐためにつけた糊(のり)や、元々糸についている不純物をきれいに洗う工程を晒し(さらし)と呼び、タオルが織りあがった後でこの工程(後晒し)を行う泉州タオルは、吸水性が抜群で肌触りも良いと人気があります。
目指せ!完食! 激まず⁉「たこ焼きようかん」
パッケージに「目指せ!完食!」の文字がある通り、社長もいちおしの”まずい”ようかん。原材料には大阪の人気地ソース「大黒ソース」が使われています。美味しいでは無く一風変わった、大阪らしく面白いものを作りたいとたどり着いた”まずい”が好評の「たこやきようかん」は、忘年会などの罰ゲームのアイテムとして購入される方が多いとのこと。
SNSで人気のちょろけんぴ
かつて大阪に存在したゆるキャラ「ちょろけん」のデザイン缶が、女性を中心にかわいらしいとインスタグラムやツイッターなどのSNSで人気となりました。
「ちょろけんぴ」は、高知県産さつまいもをつかった芋けんぴで、さつまいもの甘味とほどよい塩味がくせになります。ちょろけんが描かれた、愛くるしいデザインのおすそ分け袋も5枚入っているので、お茶の時間のばらまき菓子としても利用できます。
ちょろけんとは
江戸時代後期から明治にかけて京都や大阪で行われていた、目、鼻、口ひげが描かれた張子を被って家を一軒ずつ回って歩いていた門付芸(大道芸の一種)。
ご紹介した商品はいちびり庵オンラインショップでも購入ができます。
ボードゲームの定番「モノポリー」大阪バージョン
みなんさんはモノポリーをご存知ですか?20世紀初頭にアメリカで生まれたボードゲームで、すごろくのように、サイコロを振って駒を進めながら不動産を購入し、家やホテルを建設することで他のプレイヤーから高額なレンタル料を取り、最終的に他のプレイヤーを破産させることを目指してモノポリー(monopoly・独占)状態をつくるものです。現在も世界大会が行われるほどの人気があります。
2008年にモノポリー協会とコラボレーションして作った「モノポリー大阪版」は、駒が進むためのボード上のマス目に大阪の企業名が書かれていて、エアコンのダイキン、関西空港、大阪城などが登場します。
なんばゾーンには「いちびり庵」、豚まんでお馴染みの「551蓬莱」、大阪市浪速区に本社のある、書体・フォントのトップメーカー「モリサワ」が参加。
ご当地モノポリーとして楽しんでもらうだけでなく、ゲームを通じて大阪の企業について知ってもらえるきっかになればという思いも込めて作られました。
いちびり庵の歴史とは?
面白い、ユニークな商品開発、お土産の販売を手がけるいちびり庵ですが、最初からお土産屋さんだったのではありません。いちびり庵の歴史は古く、創業は約400年前の戦国時代にさかのぼります。当時は紙問屋として「せのや」という屋号で大阪の二つ井戸(現在の国立文楽劇場の辺り)で商いをしていました。現在のいちびり庵は「本家」や「分家」といった「家」制度で分家にあたります。約100年前に本家からのれんを受け継ぎ、現在の戎橋で万年筆などを扱う西洋文具のお店「せのや文房具店」になりました。
お店の活気が伝わってくる貴重なイラストも残っています。大阪の街々を歩きながら風景を描いていた画家が「せのや」の店頭風景を描いていて、完成後にお店に送ってこられたとのこと。
戦後は文房具屋さんを経て、小物や髪飾りを販売するファンシーショップへと業務転換しました。当時誕生したばかりのサンリオグッズをいち早く取り入れ、特に女性やお子さんの常連の方がたくさんいらっしゃったそうです。
現在の「いちびり庵」になったのは2001年(平成13年)、ちょうどユニバーサル・スタジオ・ジャパンが誕生し、大阪に観光に来られる方にも親しんでもらえるようなお店をめざしました。
大阪の魅力を伝えることがモットー
お店の名前である「いちびり」は関西弁で、”ふざけている”、”調子にのっている”という意味で使われますが、「いちびり」には、市振り=競り市で値段の決定をすることから「物事を取り仕切る」「リーダーシップをとる」という意味もあるとのこと。
いちびり庵の商品を通じてお客様が大阪を知るきっかけになったり、改めて大阪の良さに気づいてもらえる、リーダーシップがとれるお店になりたいという思いが込められています。
店舗情報
アクセス
なんばウォークB12出口を上がります
上がってすぐ左にある戎橋筋商店街に入ります
商店街を直進します
法善寺水掛不動尊表参道との交差点から30mほど行くと
いちびり庵本店に到着です
まとめ
お土産がいつも同じようなものになってしまうという方や、大阪らしい面白いグッズを探していたという方には、とっておきのお店です。商品数の多さや、ここでしか買えない大阪産の商品があるので「これだ!」と納得できる商品に出会うことができます。お土産だけでなく、いちびり庵オリジナル商品もあるので、地元の方もなんばエリアに来られた際にはお店に足を運んでみてください。
大阪出身のオリ姫。
お酒、ゲーム、旅行、ダンス、オリックスバファローズが大好き。
中東のカタールに住んでいたこともありますが、究極の暑がりで夏と暑いところが苦手。
新しいもの好きの性格とフットワークの軽さを活かして、
なんばエリアの魅力と楽しく役立つ情報を皆さんにお伝えしていきたいです。