2023年11月23日(木・祝)の南海なんば駅前にて、なんば広場まちびらきによるオープニングセレモニーが開催されました。これまで主に車道とタクシープールとして活用されていた南海なんば駅前エリアが、歩行者中心の広場としてリニューアル!
セレモニーではなんば広場で開催される今後の事業紹介や、移設・設置された2体の女神像の除幕式などが行なわれました。セレモニー当日の模様や、新しく生まれ変わったなんば広場の詳細をご紹介します。
歩行者中心に向けたこれまでのあゆみ
人が中心のなんば広場を開業するにあたり、車両を通行止めにするなどの社会実験が過去2回(2016年、2021年に)実施されました。交通処理や隣接する商業施設への搬入車両、バスやタクシーの利用する際の影響、人の流れといったシミュレーション、検証を繰り返して広場化への工事に着手。約半年の工事期間を経て完成の日を迎えました。
多くの関係者が集まったオープニングセレモニー
セレモニー当日はなんば地域に関わる各種団体や事業者、行政や公的団体の関係者など、多くの方が来賓として招待されました。
平和や都市美を願う象徴として作られた「平和の塔・女神像」と「平和記念の像」の除幕式からオープニングセレモニー(2部構成)がスタート。
第1部では難波八阪神社による神事がおこなわれました。
第2部の会場は屋外に移り、なんば安全安心にぎわいのまちづくり協議会会長によるスピーチでは構想15年にわたるさまざまな想いが語られました。
まちづくり協議会や来賓によるテープカットでは、横山秀幸市長や吉村洋文府知事も駆けつけ、官民一体の事業であったことをアピール。
テープカットがおこなわれ、セレモニー最後は大阪締めで幕を閉じました。
生まれ変わったなんば広場の特徴
なんば広場と呼ばれるエリアは、南海なんば駅に隣接する髙島屋大阪店となんばマルイの間に位置します。元々は多くの車両が行き交うロータリーがあり、タクシー乗り場として多くの方が利用していた場所でした。
歩行者専用エリアとして生まれ変わったこともあり、大阪を代表する主要駅の目の前にありながら、広々とした開放的な空間に生まれ変わりました。「多用な活動の舞台となる空間の創出」「日常・非日常の風景の実現」「夜間景観の形成」といった、なんば駅前のシンボル空間を演出します。
デザイン性あふれる空間演出
10メートルもの高い位置からスポット照明にすることで、最小限の街灯で広場を明るく照らします。御堂筋と同等の舗装がスポットのように照らされ、デザイン性の高い仕上がりに。
広場部分の路面舗装材は南海ビルや緑ともよく合う茶系の繊細な仕上がりになりました。
広場内には階段状のテラスベンチが設置され、休憩や待ち合わせにも便利な休憩スポットも用意されています。
ロータリーに立っていた4本のクスノキを残しながら、サクラやケヤキなど新たな植栽による緑豊かな広場になりました。春になると御堂筋やホテルロイヤルクラシック大阪(旧新歌舞伎座)を背景にした、大阪観光の新たなフォトスポットになること間違いなしです。
2体の像(平和を祈願する市民の思いが込められた「平和の塔・女神像」と、大阪の都市美の実現を目指す「平和記念の像」)は、広場の西(御堂筋側)に移設。これまでと同じく多くの市民から愛される、なんば広場のシンボルとして移設されました。
設置された像の由来は日本語と英語で記載されていますが、QRコードを読み取ると中国語など4か国語で表示される工夫も。外国人観光客も楽しめるよう、国際的な広場を目指します。
なんば広場は歩行者専用道路です
道路標識のとおり、なんば広場は歩行者専用道路に指定されています。車両での走行はできませんので、自転車は一旦降りて押しながら歩きましょう。
より配慮された分煙エリア
喫煙所も再整備され、これまでの屋外から屋内スペースに変更。さらに建物内部で電子タバコと紙タバコが区分されており、内装には木目のデザインを取り入れ環境との共存を目指しています。(完成は2024年1月の予定)
広場内は御堂筋、戎橋筋商店街と一体に禁煙エリアです。なお2025年4月からは大阪市内全域が路上喫煙禁止となります。
歩行者と車両の分離と共存
バス停は広場の西側(御堂筋の側道)に移設され、なんば広場に直結しています。
自転車優先道路が隣接していますが、広場内は歩行者専用となるため自転車から降りて通行しましょう。
タクシーのりばはパークス通り沿いに移設され、南海なんば駅や地下鉄の南口により近くなりました。
なんば広場から続くなんさん通りには、隣接する商業施設への物流経路を確保する目的で、貨物車限定で25時から翌9時の間のみ通行します。将来的にはなんさん通りも、自転車を押して通行する区間となる計画です。
関連記事:なんばひろば改造計画(交通規制・通行ルール・通行証の発行)
今後なんさん通りは隣接するビルとともに、難波千日前地区の再開発プロジェクトが始まる予定です。完成後はなんば広場と一体となって、歩行者中心のエリアが広がる構想となっています。
関連記事:大阪市(難波千日前地区地区計画の決定)
なんば広場の今後について
なんば広場は大阪市と地元の準備委員会が協働で、活用実験を2025年3月まで実施。
道頓堀リバーフェスティバルや戎橋筋商店街の体験博、御堂筋イルミネーションの会場利用などが次々と実施予定。あわせて清掃美化に関するイベントも実験的におこなわれ、都市美の実現も目指します。
◆11月25日(土)26日(日)に開催される道頓堀リバーフェスティバル
※このイベントはすでに終了しています。
◆戎橋筋商店街・体験博2023/なんば広場プログラム
11月30日(水)のスケッチ大会から全部で6プログラムを開催。このうち12月8日(金)のランチタイムコンサート、12月15日(金)のなんば広場でラジオ体操は当日参加いただけます。
・なんば広場ランチタイムコンサート https://www.ebisubashi.or.jp/taiken/programs/view/245
・なんば広場でラジオ体操 https://www.ebisubashi.or.jp/taiken/programs/view/242
◆御堂筋イルミネーションではなんば広場会場で「ランドマークレーザー&プロジェクションマッピング」が12月2日(土)から開催予定
https://www.hikari-kyoen.com/midosuji/
◆ミナミエリアでは大阪ミナミ光マッセを開催中、戎橋筋商店街内には7体の縁起物イルミネーションを開催中!
https://hikarimasse.osaka-chushin.fun/home/
まとめ
歩行者専用空間として誕生したなんば広場は、2008年に地元の声から生まれた構想15年の事業でした。
これから大阪ミナミの玄関口として、世界の人々をひきつける観光拠点としてもふさわしい場所となることでしょう。今後は新しい時代にふさわしい場所として、待ち合わせや休憩スポットにとどまらずたくさんのイベントや社会実験が開催予定です。
なんばエリアの新たな交流や文化が生まれる拠点として、今後の発展が期待されます。人が集まる拠点となったなんば広場に、ぜひ一度訪れてみてください。
関西を拠点に取材ライターとして活動中。
イベント取材やお店の魅力を紹介したり、コラム記事を書いたり。
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