ワッハ上方の貴重資料がズラリ!企画展示「蔵出し名品展」

ワッハ上方 企画展 アイキャッチ

笑いの殿堂なんばグランド花月の向かい、大阪府立上方演芸資料館(通称:ワッハ上方)では落語や漫才・講談・浪曲といった上方演芸に関する展示やイベントを開催し、上方演芸の歴史や魅力を広く発信しています。

令和3年11月に開館25周年を迎えた同館では、多くの方から寄贈された収蔵品をあらためてお披露目する企画展示「蔵出し名品展」が令和4年4月12日より開催中です。

目次

企画展の概要と見どころ

ワッハ上方には約7万点もの品々が収蔵されていますが、その多くは倉庫に保存されており普段はお目にかかれません。たくさんの方々から寄贈されたこれらの収蔵品をあらためてお披露目する機会として、今回の蔵出し名品展が企画・開催されました。

ワッハ上方 企画展
ワッハ上方 企画展

現在の上方演芸に至るルーツともいえる品々が、実際に鑑賞できる貴重な機会となっています。一部の展示品においては入れ替わることもあるので、気になる方は定期的に訪れることをおすすめします。

舞台裏で使われた思い出の品々

昭和の上方演芸を代表する本格的なしゃべくり漫才として人気を博した中田ダイマル・ラケット。楽屋で使われていたのれんや化粧箱など、舞台上では見れない品々も展示されています。

ワッハ上方 企画展
中田ダイマル・ラケットにまつわる品の数々

赤いハンカチをくわえながら「すまんのぉ」のフレーズでもおなじみ、横山たかしさんの舞台衣装として印象的だった金ラメのジャケットも。

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ネタの中で38億円とされていた金のジャケット

かつてなんば南海通にあった吉本の劇場「なんば花月」の出番で実際に使われていためくり(演者の名前が書かれた板)も展示。めくりの裏側には劇場スタッフのメモ書きや、他の芸人さんが書いたであろう似顔絵や落書きも見られます。

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なんば花月の舞台袖で使われた通称めくり
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裏にはマジックで書かれた似顔絵やコメントも

直筆メッセージや記念サインを読み解く

「大阪人が二人寄れば漫才である」という言葉を聞いたことはありませんか?昭和40年にNHKで放送されたドラマ「漫才太平記」のテーマであり、当時大阪で流行した言葉であることが読み取れます。当時の上方芸能を支えた二代目渋谷天外さん(喜劇役者・松竹新喜劇の創設メンバー)をはじめ、二代目旭堂南陵さん(講談師)、三代目吉田奈良丸さん(浪曲師)がこの言葉をサインに添えています。

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二代目渋谷天外さん直筆の色紙
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同様のコメントが書かれたサイン

二代目渋谷天外さんはNHK連続テレビ小説「おちょやん」で成田凌さん演じる天海一平のモデルとしても記憶に新しいのではないでしょうか。

瞬間最高視聴率64.3%を記録した伝説のコメディ番組「てなもんや三度笠」の脚本家でもあり、自らテレビ出演でもおなじみ漫才台本作家の香川登枝緒さん直筆サインも。

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香川登枝緒さん作の台本と直筆サイン

サインが書かれた大きなダルマは、昭和47年に上方お笑い大賞で金賞を受賞した坂田利夫さんと前田五郎さんの漫才コンビ「コメディNo.1」に向けて、次回は大賞が受賞できるよう祈願して進呈されたものです。

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実際に進呈されたダルマ

だるまには当時の大賞受賞者(笑福亭松鶴さん、桂米朝さん)や審査委員長(秋田実さん)をはじめ、上方落語を代表する面々のサインも数多く書かれています。

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当時のポスターやパンフレットも

昭和47年から約20年間開催された「岩田寄席」では、桂南光さんをはじめ多くの若手落語家が勉強の場として活躍しました。落語家時代の明石家さんまさんが出演している岩田寄席のプログラムも展示、他ではなかなかお目にかかれない資料です。

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岩田寄席に関連する展示品の数々
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演者として明石家さんまさんの名前も

後に文化芸術祭の大衆芸能部門で優秀賞を受賞、上方漫才が全国区で人気となるきっかけを作った「笑の会(しょうのかい)」公演ポスターや、漫才ブームの火付け役となったテレビ番組「花王名人劇場」の台本なども展示されています。

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笑の会ポスターと演者の直筆サイン
パンフレットや実際のチケットも展示
花王名人劇場「おかしなおかしな漫才同好会」の台本

展示会詳細

展覧会名/蔵出し名品展
会期/2022年4月12日(火)~ 2022年9月30日(金)
会場/大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)
住所/大阪市中央区難波千日前12-7 YES・NAMBAビル 7階
開館時間/10:00~18:00
休館日/毎週月曜日(祝日の場合は翌平日が休館日)、年末年始(12月29日~1月3日)
電話番号/06-6631-0884
入館料/無料

公式ホームページ
公式Twitter/大阪府立上方演芸資料館(@WKamigata) / Twitter
公式Instagram/大阪府立上方演芸資料館 (@wahha_kamigata)
公式Facebook/ワッハ上方(大阪府立上方演芸資料館) | Facebook
公式YouTube/上方演芸資料館ワッハ上方

まとめ

蔵出し名品展では開催期間中100点もの展示が予定されており、見どころのわずか一部のみをご紹介しました。上方演芸の歴史を物語る品々が一堂に並ぶのは、またとない機会かもしれません。

展示期間によって一部の展示品が入れ替わるので、一定期間しかお目にかかれない名品は忘れずにチェックしておきたいところ。演芸人が講師を務めるワークショップも不定期で開催していますので、定期的にワッハ上方へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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