ユニークすぎる!大阪のパワースポット「難波八阪神社」をご紹介

難波八阪神社

お正月の初詣や七五三などのイベント時期はもちろん、御朱印巡りをされている方やご神徳を大切にされている方、またパワースポットが好きな方が参拝に訪れる場所が大阪・なんばエリアには数多くあります。

その中でも今回は、なんばエリアのパワースポットで有名な「難波八阪 (なんばやさか)神社」を紹介していきます。
「獅子殿(ししでん)」と呼ばれる大きな獅子がいるユニークな神社としても有名で、全国各地からこの獅子殿を一目見ようと多くの方が集まります。
また、毎年1月には大阪市指定無形民俗文化財にも指定されている「綱引神事(つなひきしんじ)」、7月には道頓堀川で行われる「船渡御(ふなとぎょ)」など、なんばエリアの伝統行事を行っている神社でもあります。

神主の粟辻(あわつじ)さんに難波八阪神社の歴史、インパクトある獅子殿や伝統行事について、また気になるご利益や御朱印、おみくじやお守りなど詳しく聞いてきました。
各なんば駅からのアクセスも紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

難波八阪神社と獅子殿について

西暦310年頃にできた歴史ある神社

難波八坂神社 

難波八阪神社

本殿

難波八阪神社の創建年月日についての詳細がわかる資料は、1945(昭和20)年に起きた大阪大空襲で被災し現存していないとのことですが、言い伝えによると、仁徳天皇(にんとくてんのう:313~399年)の時代にまでさかのぼります。

この地域に疫病が流行りだし、これを治めるために※神仏習合(しんぶつしゅうごう)の神である牛頭天王(ごずてんのう)が現れたことをきっかけに、お祀りをしたのが始まりとされています。
その後、※難波下の宮(なんばしものみや)と呼ばれるようになり、なんばエリアの※産土神(うぶすながみ)として親しまれるようになりました。

後三条天皇(ごさんじょうてんのう:1069~1073年)の時代には、祇園牛頭天王(ぎおんごずてんのう)をお祀りする「神社」として定着していきます。
この時代にも神仏習合が続いており、境内には※神宮寺や大門坊が並んでいたとも言われています。

1868(明治1)年には、明治政府によって※神仏分離令が出されことにより寺院がなくなり、1872(明治5)年に※郷社になりました。

時は流れ、1945(昭和20)年の大阪大空襲で社殿が全て焼失し、現在の本殿は1974(昭和49)年に完成。
境内の西側に※鎮座(ちんざ)する「獅子殿」と呼ばれる大きな獅子の頭をした舞台も、同年に建てられました。

総本山は京都の八坂神社になりますが、「坂」の漢字が違うのは、大阪の「阪」にちなんでつけられています。
また、祇園牛頭天王(ぎおんごずてんのう)は素盞嗚尊 (すさのをのみこと)と同一に扱われることもあり、現在の難波八阪神社では素盞嗚尊としてお祀りされ、今でも多くの方から親しまれています。

【補足】
※神仏習合…神道と仏教が融合した宗教現象のこと
※難波下の宮…1つの神社にいくつかの社がある時に最も低いところにある神社のこと。「難波上の宮」は、現在の難波神社を指す
※産土神…神道において、その者が生まれた土地の守護神のこと
※神宮寺や大門坊・・・神社に附属して建てられた仏教寺院や仏堂のこと
※郷社…神社の社格のひとつ。府県社の下、村社の上
※神仏分離令…神仏習合の習慣を禁止し、神道と仏教、神社と寺院をはっきりと区別させた令
※鎮座…神霊が一定の場所でしずまっていること

迫力満点の獅子殿

難波八阪神社

獅子殿

難波八阪神社の名物ともいえる獅子殿は、本殿よりもインパクトがある存在かもしれません。
東側の鳥居からも顔を見せる獅子殿は、高さ12m、幅11m、奥行き10mと、とても大きく、獅子殿を目的に国内外からたくさんの方が参拝に訪れます。

学業向上や合格祈願をする学生さん、企業発展のために祈願をされる方、また勝負運がつくと好評で少年野球などスポーツをされている方や、神社のすぐ近くにあるエディオンアリーナ大阪で試合がある方など勝負時に参拝に来られる方も多いそうです。

難波八阪神社

古くからこの地は獅子舞が盛んな地域でもあったことから、魔よけの獅子として本殿とともに新しく造営したのがはじまりです。
建設の際に「神社のシンボルとして大阪人がビックリするようなものにしよう」という、ユニークな考えから巨大な獅子殿が完成したとのこと。

獅子殿の内部には神殿があり、素盞嗚尊の※荒魂(あらみたま)と、※唐櫃 (からひつ)上に加賀獅子(かがじし)という獅子頭が一対、※奉安されています。

難波八阪神社

鳳凰模様の天井

また、鉄骨・鉄筋コンクリート造りで一部に木造も取り入れられており、外部の独特な緑色は吹き付けてある銅粉によるものだそうです。
金色に光る獅子の目や24本の歯は真ちゅう製(黄銅)で美しく輝き、獅子の迫力を際立たせています。
上部を見上げると、天井には鳳凰模様が刻まれており、すべて手彫りで仕上げられています。

夏祭りや節分といった夜の行事時やお正月の時期などには、境内の明りのひとつとして獅子の目のライトが光りますので、こちらも要チェックですよ。

【補足】
※荒魂…神道における概念で、神の霊魂がもつ2つの側面のひとつが荒魂と呼ばれる。神の荒々しい側面の魂でその荒々しさから新しいできごとや物体を生み出すエネルギーを持っているとされている。もう一つは和魂(にぎみたま)と呼ばれる
※唐櫃…蓋のついた直方体の箱のこと
※奉安…尊いものをつつしんで安置すること

難波八阪神社の特徴

難波八阪神社

南側

難波八阪神社

東側

難波八阪神社

西側

難波八阪神社では昔からこの土地は道路が多かったことから、北にある本殿に向かって南側、獅子殿に向かって東側、そして西側にと鳥居が3つ設けられており、鳥居ごとに違う景色を楽しむことができます。

難波八阪神社

獅子殿の左下の口元には、戎橋筋(えびすばしすじ)商店街にある「豚まん」で有名な551蓬莱の創業者・羅邦強さんの名が刻まれた名盤があります。

現在の551蓬莱の工場は、Osaka Metro千日前線なんば駅から1駅先の桜川駅近辺にありますが、もともとは難波八阪神社の向かいにあったことから、難波八阪神社を産土神(うぶすながみ)として、よく参拝していたそうです。
その後、業績が上がり会社が大きくなっていったこともあり、「難波八阪神社のおかげ」という想いで、今でもご縁が続いているそうです。

また、2014(平成26)年には2代目・羅辰雄さんの寄付で、古くなった獅子頭の外観を修繕工事した同時期ぐらいから、国内だけではなく海外からの参拝者が急激に増えたという嬉しいエピソードも粟辻さんに聞かせていただきました。

難波八阪神社

難波八阪神社

551蓬莱の他にも大阪の老舗かまぼこ屋「大寅蒲鉾(だいとらかまぼこ)戎橋本店」や、各なんば駅直結の「髙島屋大阪店」といった施設の名前もあります。
また、吉本興業の芸人さんや大阪にゆかりのある著名人も多く来られるそうで、大阪・なんばエリアの産土神として多くの方から愛されているのがわかります。

難波八阪神社に深い関わりがある551蓬莱本店、大寅蒲鉾戎橋本店のお店の詳細を紹介している記事がありますので、ぜひこちらも参考にしてくださいね。

【あわせて読みたい】
・551蓬莱本店記事
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難波八阪神社の神さまとご神徳

素盞嗚尊(すさのをのみこと)

天照大神(あまてらすおおかみ)の弟。※三貴神として崇拝されています。

ご神徳:厄除け、疫病退散、商売繁盛、農耕殖産

奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)

素盞嗚尊の妻。八岐大蛇(やまたのおろち)の生贄にされそうだったところを素盞嗚尊に助けられ、結婚したといわれています。

御利益:縁結び、夫婦円満、安産

八柱御子命(やはしらみこのみこと)

素盞嗚尊と奇稲田姫命との間に生まれた8人の皇子がお祀りされており、八将軍とも呼ばれています。

天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)
天穂日命(あめのほひのみこと)
天津日子根命(あまつひこねのみこと)
活津日子根命(いくつひこねのみこと)
熊野久須毘命(くまぬくすびのみこと)
多紀理毘売命(たぎりびめのみこと)
多岐津比売命(たぎつひめのみこと)
狭依毘売命(さよりびめのみこと)

【補足】
※三貴神…「古事記」で、伊邪那岐命(いざなきのみこと)が黄泉(よみ)の汚れを落とした時に、最後に生まれ落ちた3人の神々のこと

境内にある摂社・末社

篠山(ささやま)神社

難波八阪神社

難波八阪神社

篠山神社の御由緒

摂津(せっつ)、河内(かわち)、播磨(はりま)と呼ばれていた当時の大阪市エリアでは、野菜を売ることが公認されていませんでしたが、大坂代官篠山十兵衛景義(ささやまじゅうべえかげよし)が大阪市に住む百姓や人々のために公設市場が公認されるように尽くした結果、大阪市エリアでも野菜の販売が許可されました。

この善行から、篠山代官は多くの方から感謝され、生き神さま(生祀:せいし)として祀られました。
また、現在なんばエリアにある木津(きず)市場の発祥にも関わっており、地元の方から親しまれています。

ご祭神:篠山十兵衛景義公(ささやまじゅうべえかげよしこう)

稲荷(いなり)神社

難波八阪神社

左:稲荷神社 右:三宝荒神社

総本宮は、京都にある伏見稲荷(ふしみいなり)大社。
昔は雨乞いや止雨と共に五穀豊穣や、国の安穏を願うなど公の願い事が主でしたが、現代では商売繁盛や家内安全、交通安全などの守護神として信仰を集めています。

ご祭神:宇賀御魂神(うがみたまのかみ)・豊国稲荷大神(とよくにいなりおおかみ)
ご神徳:五穀豊穣(ごこくほうじょう)・商売繁盛

三宝荒(さんぽうこう)神社

三宝荒神(さんぽうこうじん)は日本特有の神で、不浄を許さない厳しさを持つことから、火で清浄が保たれる竈(かまど)に祀られ、かまどの神、火の神として人々を災いから守ってくれると、古くから多くの方から信仰されています。

ご祭神:奥津日子神(おくつひこのかみ)・奥津比賣神(おくつひめのかみ)・火産霊神(ほむすびのかみ)
ご神徳:火の神、台所の守り神

市杵島姫(いちきしまひめ)神社

難波八阪神社

左:市杵島姫神社 右:皇大神社

市杵島姫は日本神話に登場する美しい女神で、水の神です。
あらゆる「道」の最高神として、航海や交通の安全などを祈願する神として崇拝されています。

ご祭神:市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)・大物主神(おおものぬしのかみ)
ご神徳:産業開発・交通、海上運輸安全

皇大(こうたい)神社

日本神話に登場する天照大神(あまてらすおおかみ)が主祭神です。
三重県伊勢市にある伊勢神宮内宮が総本社で、通称・お伊勢さんとも呼ばれています。

ご祭神:天照大神・猿田彦神(さるたひこのかみ)
ご神徳:家内安全・家業発展

戦艦陸奥主砲抑気具(せんかんむつしゅほうよっきぐ)記念碑

難波八阪神社

難波八阪神社には大日本帝国海軍の戦艦「陸奥(むつ)」の大砲の先端に設置された蓋が展示されていますので、戦艦マニアの方は必見です。

戦艦陸奥は竣工当時「世界七大戦艦」とも呼ばれ、姉妹艦の長門(ながと)とともに大日本帝国海軍の象徴として日本国民に長く親しまれていましたが、太平洋戦争の終戦直前に主砲火薬庫から爆発を起こして沈没しました。
その戦艦と運命を共にした1121名の将兵(しょうへい:将校と兵士)の魂を慰霊し、永遠の平和を祈るものとして安置されています。

年間の祭事

綱引神事(つなひきしんじ)

素盞嗚尊(すさのをのみこと)が民衆を苦しめる八岐大蛇(やまたのおろち)を退治し、民衆を救ったことを由来とし、難波八阪神社では毎年1月に綱引神事(つなひきしんじ)が行われます。

江戸時代中期から行われている神事で、2001(平成13)年には大阪市ではじめての「無形民俗文化財」に指定されています。

難波八阪神社 祭事

綱引神事(画像提供:難波八阪神社)

難波八阪神社 祭事

綱引神事(画像提供:難波八阪神社)

その年の恵方に引き合います。

難波八阪神社

綱引神事(画像提供:難波八阪神社)

その後、神前の祀ります。

古伝にならい、八頭八尾の大綱を大蛇の形に見立て、その年の恵方にひき合います。
その後、神前に祀ってご神徳の高揚を願い、病疫災厄(えきびょうさいやく)を祓い、海川山野の幸を祈り、人々の生業安定・家内安全・商売繁盛を祈ります。

実施日:毎年1月第3日曜日午前
(※実施日の詳細は難波八阪神社の公式サイトに掲載されています。)

夏祭り・船渡御(ふなとぎょ)

難波八阪神社

船渡御(画像提供:難波八阪神社)

難波八阪神社

船渡御(画像提供:難波八阪神社)

船団が道頓堀川を行き交います。

船渡御行事は、江戸時代に「天神祭」と並んで盛大に行われていたと伝えられている神事です。

江戸中期以降に船渡御は一度途絶えていたそうですが、2001(平成13)年に氏子(うじこ:氏神を信仰する人)と地元企業の協力のもと230年ぶりに復活しました。

現在は、およそ20隻の渡御船団(とぎょせんだん)が、JRなんば駅のすぐ近くに位置する湊町(みなとまち)船着場から道頓堀川を、掛け声をあげながら行き交い、大阪・ミナミの夏を盛り上げてくれます。

実施日:毎年7月13日宵宮、7月14日本宮
(※実施日の詳細は難波八阪神社の公式サイトに掲載されています。)

綱引神事、船渡御の祭事の様子が難波八阪神社の公式YouTubeに掲載されていますので、気になる方はぜひご確認くださいね。
難波八阪神社YouTube

御朱印

難波八阪神社 御朱印

難波八阪神社の御朱印は、京都の八坂神社と同じ左三つ巴(別名・巴紋:ともえもん)と木瓜(もっこう)の神紋に、シンボルの獅子殿の印判が押しています。

難波八阪神社 御朱印帳

獅子殿が描かれたインパクトのある御朱印帳は、旅のお供にも最適ですよ。

おみくじ

難波八阪神社 おみくじ

左:だるまみくじ 右:扇子おみくじ

「だるまおみくじ(500円)」のだるまは手描きで仕上げられており、それぞれ表情が違うのが特徴的なおみくじです。

開くと扇子型になる「扇子おみくじ(300円)」は、末広がりの形でご利益があるとのこと。
願い事や進学就学、恋愛などの運勢を占いたい方におすすめです。

難波八阪神社 おみくじ

左:鯉(恋)おみくじ 右:鯛みくじ

恋愛運が占える「鯉(恋)おみくじ(300円)」、安泰にかけた「鯛みくじ(300円)」など、ユニークでかわいいおみくじがあるのも難波八阪神社の特徴です。

難波八阪神社 おみくじ

もちろん、社務所で受付している「みくじ(200円)」もありますので、ぜひ参拝の帰りに引いて旅の思い出にしてくださいね。

お守り

難波八阪神社 御守り

難波八阪神社 御守り

難波八阪神社 お守り

健康、恋愛、縁結び、勝ち運、厄除けのお守りはもちろん、ランドセル守や獅子頭守など、種類が豊富です。
お守りの裏には難波八阪神社の獅子殿の刺繍がされていますので、大切な方へのプレゼントにも喜ばれますよ。

難波八阪神社・本殿結婚式

難波八阪神社では、本殿結婚式も承っています。
産土神として、この地にゆかりのある方や、国際結婚された方が日本で式を挙げる時に利用するなど、国内外の方から愛されています。

詳細は、難波八阪神社公式サイトに掲載されていますので、ご確認ください。
難波八阪神社公式ホームページ(結婚式ページにリンク)

施設詳細

施設名/難波八阪神社
住所/大阪市浪速区元町2-9-19
電話番号/06-6641-1149
定休日/年中無休
拝観料/参拝無料
駐車場/なし
開門時間/6:00~17:00
公式ホームページ

アクセス

難波八阪神社

難波八阪神社

1、各なんば駅下車後、Osaka Metro四ツ橋線南改札の近くにある32番出口からでます。

難波八阪神社

難波八阪神社

2、階段を上るとそのまま真っ直ぐ進みます。

難波八阪神社

難波八阪神社

3、5分ほど歩くと、交差点が見えてきますので横断歩道を渡って真っ直ぐ進みます。

難波八阪神社

4、3分ほど歩くと、「やよい軒難波元町店」が見えてきますので、手前の筋を右に曲がります。

難波八阪神社

5、1分ほど歩くと、「そばよし本店」の看板が見えてきますので、その手前が「難波八阪神社」になります。

まとめ

今回は、大阪・なんばエリアにある難波八阪神社を紹介しました。
産土神(うぶすながみ)として地元の方はもちろん、国内外の方からも愛されており、勝負運が必要な時や受験合格を祈る時などに、ぜひ訪れてほしい神社です。
また、獅子殿の大きさにも驚きますが、鯉おみくじや鯛みくじといったユニークなおみくじも豊富にありますので、何度行っても楽しむことができます。

大阪・なんば周辺に来られた方やパワースポットを探されている方、また御朱印巡りをされている方は、難波八阪神社に足を運び素敵な時間をお過ごしくださいね。

難波八阪神社

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