オンライン写真展「#おちょやん道頓堀にいるってよ」撮影地をめぐる

おちょやん撮影地

大正・昭和時代の大阪・道頓堀を舞台に、貧しい少女が女優への道を駆けあがっていくドラマチックなストーリーを描いた、2020年後期NHK連続テレビ小説『おちょやん』。毎朝楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。

今回は、連続テレビ小説『おちょやん』から派生したスピンオフプロジェクトで、現在公式サイトで開催中のオンライン写真展「#おちょやん道頓堀にいるってよ」で、撮影地となったスポットを、歴史や知られざるエピソードを交えながらご紹介します。

風情ある法善寺横丁、にぎやかな街並み、老舗の純喫茶など『おちょやん』ファンの方はもちろん、道頓堀散策に欠かせないスポットばかりですので、ぜひ大阪観光や散策のガイドとしてもお役立てください。

目次

NHK連続テレビ小説『おちょやん』とは

2020年後期NHK連続テレビ小説『おちょやん』は、戦前から戦後の大阪を舞台に、貧しい少女が女優への道を駆けあがっていくドラマチックなストーリーを描いた作品。タイトルの「おちょやん」は、料亭や茶屋で働く小さな女中さんを指す「おちょぼさん」がなまった大阪ことばなのだそうです。

あらすじ
明治の末、大阪の南河内の貧しい家に生まれたヒロイン、竹井千代は9歳のときに、道頓堀の芝居茶屋に女中奉公に出される。そこで華やかな芝居の世界を目にした彼女は女優を志し、芝居の世界に飛び込んでいく。やがてそこで、喜劇界のプリンス、天海一平と出会い、結婚。
喜劇女優として少しずつ成長していくが戦争が始まり、道頓堀は空襲を受けてしまう。戦後、活躍していた劇団が復活したものの結婚生活は破綻。彼女は芝居の世界から去ってしまう。しかし、ラジオドラマへの出演をきっかけに女優に復活。大きな反響を呼び、名実ともに上方を代表する女優となっていく。

参照/おちょやん公式ホームページ

主人公のモデルとなったのは、昭和20年代から40年代にかけて、関西を舞台にした映画やドラマにかかせない名脇役として活躍した浪花千栄子さん。昭和48年の暮れに急逝するまで、テレビCMや大河ドラマなど幅広いジャンルで活躍し、やさしい関西弁の語り口で「大阪のお母さん」ともいわれ親しまれました。

オンライン写真展「#おちょやん道頓堀いるってよ」

オンライン写真展「#おちょやん道頓堀いるってよ」は、連続テレビ小説『おちょやん』から派生したスピンオフプロジェクト。

おちょやん公式ホームページ

女優・杉咲花さん演じるヒロイン・千代が、物語の舞台である大正の道頓堀から、令和の道頓堀界隈へとタイムスリップ。つかの間の「おいとま」を過ごす様子をフィルムに収め、その写真作品を通じて大阪・ミナミの古き良き文化と魅力を全国に発信していくという内容です。(撮影は2020年11月上旬)
撮影は 『おちょやん』のメインビジュアル撮影も担当し、国内外で幅広く活躍している写真家の浜田英明氏が手がけています。

作品の舞台となった当時の大阪・道頓堀には、大小さまざまな芝居小屋がありました。特に大きな劇場は五座と呼ばれ「弁天座」「朝日座」「角座」「中座」「浪花座(竹本座)」があり、アメリカのブロードウェイのような演劇や演芸の聖地でした。
そんな芝居街として栄えた道頓堀をはじめとしたミナミエリアは、現在も古くから残る風情ある名所やトレンドスポットが並び立つなど、新旧入り交じった魅力あふれる街です。

今回のオンライン写真展「#おちょやん道頓堀にいるってよ」を鑑賞した方のなかには、「これは道頓堀のどこにあるんだろう?」「実際に行ってみたい!」と、追体験をして興味を持った方も多いのでは。ヒロイン・千代が撮影でめぐった道頓堀の魅力がぎゅっとつまった各スポットを、次に紹介していきます。

戎橋(えびすばし)

戎橋

年間数千万人訪れる大阪のシンボル「戎橋(えびすばし)」。
テレビをはじめメディアなどでもよく取り上げられるので、大阪府外の方も知っている人が多い一大観光スポットで、橋の上でグリコサインとの記念撮影を楽しむなど、多くの人に親しまれています。

戎橋

江戸時代に架けられた戎橋は、過去15回にわたり大改修や架け替えが行われ、現在かかっている橋は2007(平成19)年に82年ぶりの架け替え工事が行われた際のもの。
幅11メートル、橋上にバルコニーを設置して丸い形となりました。
また、戎橋の欄干には大阪グルメの代表格である「お好み焼きのコテ」がデザインに採用されています。大阪ならではの遊び心あるデザインですので、戎橋に訪れた際には、こちらもお見逃しなく。

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とんぼりリバーウォーク

道頓堀川の遊歩道「とんぼりリバーウォーク」は、2004(平成16)年に誕生。
にぎやかな街中とはまた違った、落ち着いた水辺の景色が楽しめます。

とんぼりリバーウォーク

戎橋端にある階段からとんぼりリバーウォークに下りることができ、川を眺めながら食事ができる飲食店などが並びます。
遊歩道からは、道頓堀の見どころのひとつでもある巨大な看板を間近に見ることができます。夜には川面に映る街のネオンのきらめきが美しく、訪れる時間によって違う雰囲気が楽しめますよ。

浮世小路

道頓堀今井

浮世小路

大阪うどんの老舗「道頓堀今井」の真横にひっそりとある小路。
大阪在住の方でも、知っている人が少ないそんな隠れた名所がこちらの浮世小路です。

にぎやかな通りの喧騒が嘘のような路地は、道頓堀商店会の通りから法善寺横丁につながっていて、両脇には『おちょやん』の舞台となった、大正から昭和初期の道頓堀の町並みを再現した絵地図や上方演芸の展示が飾られています。

大阪 浮世小路

まるでタイムスリップしたような錯覚が楽しめる浮世小路の中ほどには、「一寸法師大明神神社」という小さな神社もあります。
その名の通り、おとぎ噺でおなじみの一寸法師が祀られているのですが、実は一寸法師は、道頓堀川からお椀の船に乗り、京の都へ上って鬼退治をしたのだとか。

ここでは、おみくじを引くこともできます。
よく当たると評判ですので、通られる際にはおみくじも楽しんでみてくださいね。

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法善寺(ほうぜんじ)横丁

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石畳の景観が風情あふれる「法善寺横丁」は、大阪なんばの観光スポットとして有名な法善寺の境内にあります。
大阪を代表する文豪、織田作之助の代表作「夫婦善哉」をはじめ、小説作品や映画にも登場しているので、「地名は知っている」という方も多いかもしれません。

法善寺の境内から伸びた東西の路地の両側には老舗の割烹やバー、お好み焼き・串カツ店など実力ある料理店がずらりと並び、各店が協力してこの景観を守っています。
実はこの風情ある景観を構成する石畳は、南海電鉄の協力のもと、阪堺(はんかい)電車の路面の敷石に使っていた石を譲り受けて石畳にしているのだそうです。

法善寺横丁

法善寺横丁の西側の看板は、法善寺横丁の常連だったご縁から人気喜劇役者の藤山寛美さんに書いてもらったもので、「法善寺横丁」の「善」の字をよく見てみると、一画抜けています。
こちらは書き間違えということではなく、「私は一本抜けた人間やから」と言ったというエピソードが残っています。
グルメはもちろん街の歴史に想いを馳せながら、散策するのも楽しめるスポットです。

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あっちち本舗

あっちち本舗

大阪は西成で創業のたこ焼き店。2010年にオープンしたなんば店は、相合橋(あいあうはし)たもとの巨大なたこの立体看板が目印です。

あっちち本舗

9個入り500円

あっちち本舗のたこ焼きは、焼く際に技術が必要な鉄製のたこ焼き器で焼き上げられていて、ふわとろ食感が堪能できます。タコは中国産の冷凍ものではなく、刺身や酢ダコとしても食べられる生のマダコを中央市場から仕入れ贅沢に使用しています。生地はカツオダシと小麦粉を絶妙に配合するこだわりっぷり。

お持ち帰りはもちろん、地下には大きなテレビが設置されたイートインスペースもあるので、ゆっくり食べられますよ。

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道頓堀今井 本店

道頓堀今井

立体看板やネオンサインなど賑やかなイメージがある道頓堀の通りに位置し、大阪でうどんといえば「道頓堀今井」といわれるほど、全国にファンを持つ大阪うどんの老舗。江戸時代から道頓堀で芝居茶屋を営み、大正時代に洋楽器店、そして戦後はうどん屋となり、200年の歳月を道頓堀と共に過ごしてきました。

外観は、品格ある落ち着いた佇まいが特徴で、入り口にある“宵待柳(よいまちやなぎ)”という愛称で親しまれている柳が目印です。

道頓堀今井

大阪うどんは、大阪の食文化である「だし」を最も大切にしており、麺はモチモチと柔らかく、具と一緒に食べることで三位一体の美味しさが味わえます。道頓堀今井でも、初代が創り出しただしの黄金レシピを現在でも守り受け継いでいます。

多い日には1日600食も注文が入るという看板メニュー「きつねうどん」をはじめ、季節のメニューは、せっかく道頓堀に来たならぜひ食べてほしい逸品です。

純喫茶アメリカン

純喫茶アメリカン

実は日本でいちばん喫茶店が多い大阪には、昔ながらの風情が残る老舗もたくさんあります。先述でご紹介した戎橋からもほど近い、道頓堀に面した千日前商店街のなかにある「純喫茶アメリカン」は、2021年で創業75年の老舗です。

創業時から変わらないこだわりのメニューや温かいおもてなしで、昔から地元の方を中心に愛され続けています。

純喫茶アメリカン

例えば、写真作品のなかでヒロイン・千代が食べていたホットケーキは、出来合いのホットケーキミックスは使わず、数種類の小麦粉をオリジナルでブレンド、銅板のプレートで丁寧に焼きあげています。ホットケーキ本来の味を損なわないように、シロップもお手製というこだわりぶり。上品で優しい味わいは、純喫茶アメリカンでしか食べられない味です。

純喫茶アメリカン

純喫茶アメリカン

また、メニューだけではなく目を引くのは「お客様に上質な空間で、特別な時間を過ごして欲しい」という思いから、特注品ばかりで作られたお店の内装やインテリアの数々。
今ではもう作ることのできないものも多く、古き良き昭和の雰囲気を残す店内は、年配の方には懐かしく感じられ、昭和になじみのない若い方には新鮮に感じられるとあって、老若男女問わず幅広い方が来店されています。

店主の心遣いが随所に光る店内で、こだわりのコーヒーやメニューを楽しんでみてください。

大阪・道頓堀の魅力発信!会場&オンラインイベント

大阪府、大阪市、大阪観光局および民間企業5社の参画のもと、連続テレビ小説「おちょやん」の放送をきっかけとして、道頓堀をはじめとする大阪の魅力を広く発信、観光産業、地域活性化を目的とする「大阪・道頓堀魅力発信事業実行委員会」が設立されました。

おちょやんオンラインツアー

取り組みの第1弾として、2021年3月21日(日)に「大阪・道頓堀の魅力発信!会場&オンラインイベント」を開催し、ゲストのいしのようこさんによるトークショー、大阪の芸能文化発信地のひとつである「天満天神繁昌亭」内を見学できるオンラインツアーや「天下の台所・大阪」で時代を超えて愛される「大阪ならではのお土産」の紹介が行われます。

より、『おちょやん』の世界を楽しめるイベント内容になっていますので、気になる方はオンラインでご参加ください。

「大阪・道頓堀の魅力発信!会場&オンラインイベント」概要

開催日時/3月21日(日)13:00~15:00(予定)
会場/中之島会館(大阪市北区 中之島フェスティバルタワー・ウエスト4階)
募集人員/会場参加:100名(大阪府のイベント開催の感染防止策ガイドラインに沿って開催)
オンライン参加/1,000名
(画面での参加、スマートフォン等の機器・通信回線はご本人準備)
参加費用/無料
申込方法/イベントホームページの申込フォームからお申込み可能 

※会場観覧は定員数に達したため、3/20(土)までオンライン参加のみ先着順で申込み受付。

大阪・道頓堀魅力発信事業実行委員会へのお問い合わせ先
JTBコミュニケーションデザイン内事務局
TEL/06-4964-8838 10:00〜17:00(土日祝休)

まとめ

連続テレビ小説『おちょやん』から派生したスピンオフプロジェクトで、現在公式サイトで開催中のオンライン写真展「#おちょやん道頓堀にいるってよ」で、撮影地となったスポットをご紹介しました。

風情あふれる法善寺横丁や、古き良き時代の雰囲気が楽しめる路地や純喫茶、大阪の食文化を代表する名店など、追体験ももちろん楽しいものですが、やはり実際に足を運んでほしいスポットばかり。
安心しておでかけが楽しめるようになったら、ぜひ撮影スポット巡りしてみてくださいね。

おちょやん撮影地

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